@misc{oai:repo.qst.go.jp:00062793, author = {鎌田, 正 and 鎌田 正}, month = {Oct}, note = {放射線医学総合研究所(放医研)では1994年以来,様々ながんにおいて重粒子線(炭素線を使用)の臨床研究を行ってきた.その目的は「がん治療における重粒子線の可能性と意義を明らかにし,重粒子線を使ってがんをより安全・確実に治癒に導く方法を確立し,普及させること」である.さらに,それを通じて成果の社会への還元を図り,国民へのサービスの提供を実現しようとするものである.現在までに50近くの臨床試験(第II相を含む)が実施され,これらを通じて重粒子線治療における線量分割法,照射技術が確立されるとともに,手術困難な骨軟部肉腫や直腸癌術後骨盤内再発などの難治性がんを治癒に導くことが可能となり,前立腺,頭頸部,肺,肝臓などのがんでも,短期問で安全な治療を実現している.これらの成果は20を超える英文原著論文として海外の有力雑誌に発表され,重粒子線治療は有効な癌治療のひとつとして国内外で認められつつある.2003年には放医研における重粒子線治療は高度先進医療として厚生労働省に承認されたが,治療患者数は年を追うごとに増加し,最近では年問700名近くとなっている.ここ数年は毎年100件程度の治療件数の増加を認め2008年6月には総治療患者数は4000名を超えている.現在,年間治療患者の約70%程度が有料(自己負担314万円)の先進医療として重粒子線治療を受けており,残り30%程度は臨床試験として治療を受け,ここ数年,この割合は変化していない.一方,先進医療は2006年10月特定療養費制度が見直された結果,「保険給付の対象とすべきものであるか否かについて適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な評価療養」と位置づけられている.その評価は先進医療専門家会議において実績報告書に基づいて「有効性」「安全性」「技術的成熟度」「社会的妥当性」「普及性」「効率性」等が評価され,保険導入の可否が検討され,重粒子線治療についてもその対象となっている.すでに骨軟部腫瘍など重粒子線治療の対象となっている疾患の一部ではその優れた治療結果から切除よりも重粒子線治療が選択されることが増えており,高額の自己負担を考えると早期の保険適応が望ましいと考えている.重粒子線治療装置は多額の設備投資が必要であり,また治療の質を維持するためには相応の経済的な保証も不可欠である.限られたリソースの中で患者,実施施設,保険者(支払い者)のすべてが満足できる保険収載のための具体的な案を策定するべく検討を開始した., 日本放射線腫瘍学会第21回学術大会}, title = {重粒子線治療の現状と将来展望}, year = {2008} }