@misc{oai:repo.qst.go.jp:00062726, author = {岡本, 美恵子 and 今岡, 達彦 and 西村, まゆみ and 島田, 義也 and 岡本 美恵子 and 今岡 達彦 and 西村 まゆみ and 島田 義也}, month = {Aug}, note = {ヒト家族性大腸腺腫症(FAP)の疾患モデルマウスであるMinマウスを用いて、放射線発がんに関与する要因とその発生メカニズムを明らかにすることを試みた。遺伝的背景と週齢の異なるマウスにX線を全身一回照射して、腫瘍誘発効果を調べた。その結果、放射線による腫瘍誘発効果は照射時の週齢に大きく依存し、小腸・大腸では生後1,2週齢がピークで7週齢を過ぎると腫瘍誘発効果は激減すること、一方、乳腺腫瘍の誘発が認められるのは7週齢以後で、5週齢以前の照射には誘発効果は見られないことが明らかになった。この腫瘍誘発における年齢依存性は遺伝的背景の違いを超えて、共通の現象である。また、Minマウスにおける腫瘍の自然発生頻度は遺伝的背景の影響を強く受けることが知られているが、放射線による腫瘍誘発効果の強さも遺伝的背景の影響を受けること、しかし、自然発生頻度とは相関しないことを見出した。  放射線による腫瘍誘発メカニズムの解析にはApc遺伝子の種々のセカンドヒットを検出できる系が必要であると考え、C57BL/6Jの遺伝的背景を持つMinマウスにMSM由来の18番染色体を導入したコンソミックMinマウスの系を作出した。この系は、MSMの18番染色体にMinマウスにおける腫瘍の自然発生を強く抑制する修飾遺伝子が存在するため、バックグラウンドとしての自然発生頻度が低く、照射個体に発生した腫瘍の大半は放射線誘発腫瘍であると見なせるという利点がある。この系を用いて、非照射、2週齢照射、7週齢照射個体に発生した小腸、大腸腫瘍におけるApc遺伝子のLOHについて解析を行った。また、18番染色体全域をカバーするようにマイクロサテライトマーカーを選出し、統計学的手法を加えて、PCR-SSLP法によるLOH解析を行った。このコンソミックMinマウスの自然発生腫瘍では約半数にApc遺伝子のLOHが認められる。放射線誘発腫瘍におけるApc遺伝子のLOH頻度は、大腸では照射によって上昇するが、腫瘍誘発効果とLOH頻度の間には単純な相関は認められないこと、小腸では照射の有無に関わらずApc遺伝子のLOH頻度は一定であることが明らかになった。18番染色体のLOH解析からは、自然発生と放射線誘発腫瘍ではLOHのパターンが異なっており、いわゆる「放射線の爪痕」が認められること、小腸と大腸間でも差があることを見いだした。これらの結果は、放射線による腫瘍誘発のメカニズムは標的臓器によって異なること、腫瘍誘発とセカンドヒットスペクトルの間には単純な相関が認められないことを示唆する。, 第23回発癌病理研究会}, title = {Minマウスにおける放射線発がん機構の解析}, year = {2008} }