@misc{oai:repo.qst.go.jp:00062342, author = {山内, 一己 and 柿沼, 志津子 and 須藤, 聡美 and 太田, 有紀 and 鬼頭, 靖司 and 増村, 健一 and 能美, 健彦 and 西村, まゆみ and 島田, 義也 and 甘崎 佳子 and 柿沼 志津子 and 須藤 聡美 and 太田 有紀 and 鬼頭 靖司 and 増村 健一 and 能美 健彦 and 西村 まゆみ and 島田 義也}, month = {Sep}, note = {[目的] 我々はこれまでB6C3F1マウスを用いた胸腺リンパ腫(以下、TL)発生を指標として、放射線と化学物質の複合影響について多くの環境因子、放射線複合暴露解析を行ってきた。その結果、低線量(0.2Gyを4回分割照射)の放射線の前照射はエチルニトロソウレア(ENU)による発がん率を抑制し、高線量(1.0Gyの分割照射)はENUと相乗的に発がん率を上げることが明らかとなった。すなわち、複合暴露において低線量と高線量でその複合様式が異なるということを報告した。本研究では、線量による複合様式の違いのメカニズムを明らかするために、gpt-deltaトランスジェニックマウス(gptdeltaマウス)を用い、ENUによる突然変異頻度やスペクトラムが、放射線の線量によってどのように変化するかを、低線量と高線量の違いに着目して、アプローチした。 \n[材料と方法] gpt -deltaマウスに、4週齡より週1回0.2Gyもしくは1GyのX線照射を4回行ない、続いて8週齡より200ppm のENUを4週間飲水投与し、その後4週間ない、続いて8週齡より200ppm のENUを4間飲水投与し、その後4週間通常条件下での飼育を行なった。胸腺からゲノムDNAを抽出し、ゲノム中からgpt遺伝子を含むλファージを回収し、大腸菌YG6020株に感染させ、6-チオグアニン(6-TG)耐性を指標としてgpt遺伝子の変異を決定した。さらにgpt遺伝子の塩基配列を決定し突然変異スペクトラムを解析した。 \n[結果] gpt遺伝子は456塩基対からなり、主に点突然変異を解析する事が出来る。Mutant frequency(M.f)はコントロール群で1.2 x 10-5であり、ENU投与(ENU)群では10倍(12.6 x 10-5 )に頻度が増加した。0.2Gをあらかじめ照射した後、ENUを投与した群(0.2Gy→ENU)では、ENU群と比較して顕著なM.fの減少が見られ、コントロール群と同程度(1.74 x 10-5 )であった。また、1.0Gyを照射した後ENUを投与した群(1.0Gy→ENU)では、ENU群と比較しておよそ3倍にM.fが上昇(34.7 x 10-5 )した。各群の塩基置換変異は、コントロールではG:C→T:A変異やCpG配列でのG:C→A:T変異が主に見られたのに対し、ENU群では非CpG配列でのG:C→A:T変異やA:T→T:A変異がおもに見られた。また0.2Gy→ENU群では、ENUによって生じたこれらの変異の抑制が見られたのに対し、1.0Gy→ENUでは非CpG配列でのG:C→A:Tのほか、A:Tが他の塩基へ置換する変異が見られた。また同じ変異を持つクローン細胞の頻度はENU群でコントロールと比較して顕著な上昇が見られたが、0.2Gyの前照射でこの頻度は抑制され、1.0Gyの前照射では変化は見られなかった。 \n以上の結果より、0.2Gy→ENUでは、DNA修復系の活性化などによる変異の抑制が行われたと考えられる。また1.0Gy→ENUでは、そのような変異の抑制は行われなかったためM.fの上昇やクローン細胞数の上昇が見られたと考えられる。 これらのことは、前照射する放射線の線量により、ENUによる塩基置換型変異の誘発に変化をもたらしていることを示している。, 平成19年度若手放射線生物研究会主催 原子炉専門研究会}, title = {gpt-deltaマウスを用いたX線とENUの複合影響解析}, year = {2007} }