@misc{oai:repo.qst.go.jp:00062194, author = {今岡, 達彦 and 西村, まゆみ and 波多野, 由希子 and 飯塚, 大輔 and 岡本, 美恵子 and 島田, 義也 and 今岡 達彦 and 西村 まゆみ and 西村 由希子 and 飯塚 大輔 and 島田 義也}, month = {Aug}, note = {放射線は明らかな環境発癌要因であるが、医療における人体の放射線被ばくは、医療水準の向上とともに着実に増加している。原爆被爆生存者の疫学調査によると、成人が放射線1Gyを被ばくすることによる固形癌発症の過剰相対リスクは約0.5であるが、小児が1Gyを被ばくすることによるリスクは約2であり、小児の放射線被ばくは成人よりも高い癌リスクをもたらす。特に若年で原爆被爆した生存者には、早発性の乳癌が高い割合で発生することが知られている。現代の医療においても小児がX線CT撮影や小児癌治療で放射線に被ばくする機会は多い。我々はMinマウスおよびSprague-Dawleyラット乳腺腫瘍の放射線による誘発モデルを用いて、被ばく時の年齢が腫瘍の発生頻度におよぼす影響を調べた。その結果、予想に反し、どちらのモデルにおいても被ばく時年齢が若いほど腫瘍の発生頻度が低かった。Minマウスに発生した乳腺腫瘍は主にacanthomaであり、一部の腫瘍は腺癌領域を有していた。腫瘍細胞をマイクロダイセクションで切り出し抽出したDNAを調べたところ、腫瘍細胞では正常Apc遺伝子が失われていた。また病理標本の免疫染色によりβカテニンの核への集積が認められた。Apcおよびβカテニンの関わるWntシグナル伝達系は、乳腺において腺房前駆細胞の増殖に関与することが知られている。Minマウスでも腺房前駆細胞において放射線が正常Apc遺伝子を消失させることでWntシグナル伝達系が活性化し、腫瘍化をひきおこしたと考えられる。また腺房前駆細胞の数は思春期に急増することから、放射線による腫瘍の発生頻度も年齢にともなって増加したと考えられる。一方、Sprague-Dawleyラットにはadenocarcinomaが発生した。病理標本の免疫染色によりホルモン受容体の発現を検索すると、成体被ばく群に発生した腫瘍では20〜30%の細胞が陽性であったのに対し、若齢被ばく群に発生した腫瘍では5%程度の細胞のみが陽性であった。ラットにおいて幼若期の放射線被ばくは卵巣の濾胞細胞にダメージを与え卵巣機能を低下させることが知られており、そのために若齢被ばくの乳腺腫瘍誘発効果が低かったと推測される。, 第22回発癌病理研究会}, title = {小児期の放射線被ばくによるげっ歯類乳腺腫瘍の誘発効果とその機序}, year = {2007} }