@misc{oai:repo.qst.go.jp:00062161, author = {関根, 絵美子 and 岡田, 真希 and 于, 冬 and 岡安, 隆一 and 関根 絵美子 and 岡田 真希 and 于 冬 and 岡安 隆一}, month = {Jul}, note = {目的:重粒子線は宇宙放射線の重要なコンポーネントとして存在し、またブラッグピークを利用して癌の放射線治療においても大きな貢献を果たしている。しかし、低LET放射線であるX線、γ線に比べ高LET放射線である重粒子線による影響はまだ不明な点が多い。そこで本研究ではX線、重粒子放射線である炭素線、ネオン線、シリコン線、鉄線等を照射した場合に生じるDNA二重鎖切断(double strand break; DSB)の初期損傷と修復の様子を量的に比較検討し、その機構解明を目指すべく研究を行った。 \n材料と方法:ヒト胎児肺由来繊維芽(正常)細胞HFLIIIにX線、重粒子線であるcarbon (290MeV/n), iron (500MeV/n), neon (400MeV/um), silicon (490MeV/n) をそれぞれ2Gy照射した。照射直後のDSBの修復の様子を、細胞融合により染色体切断を可視化するような未成熟染色体凝縮法(PCC法)にて観察した。初期の修復の度合いを観察するために、DSB修復阻害剤であるWortmannin(WM)を用いた。 \n結果:PCC法では37℃でのインキュベーションが不可欠であり、その際に修復が起こるため初期のDSBの検出感度を低下させている。今回、我々はDSB修復阻害剤であるWMを用いて、WMを添加したものと、添加していないもの(control群)についてDSBの数を比較検討した。その結果、X線、炭素線ではWMを添加したときには、約10個のDSBが検出されたが(1Gyあたり)、WM未添加により半数近くのDSBが修復された。それに対して、シリコン線、鉄線では、WMを添加したときにはDSBは約5個のDSBが検出されたが、WM未添加のサンプルと比較すると修復がほとんど起きていなかった。さらに、LET 70keV/μm, LET 200keV/μmのときで比較すると、LET70keV/μmでは初期修復(IRF:初期の修復の度合いで、小さいほど修復が起きていない)は核種間の差が大きかった。それに対して、LET 200keV/μmのときは、核種間の差が小さく、一様に初期修復が行われていなかった。 \n考察:この研究結果から、シリコン線、鉄線ではX線と比較すると、同じ線量照射時における初期のDSBの数は少なく、さらに初期の修復の度合いが悪いということが示唆された。これは、重粒子線照射による傷は、X線に比べて複雑なため、 PCCの処理の過程である15−20分の間には、ほとんど修復されないためと考えられる。また、LET が大きくなると、核種間の差がより小さくなり、初期修復の悪い傷ができると考えられる。, 第37回放射線による制癌シンポジウム 第46回日本医学放射線学会生物部会学術大会}, title = {高LET重粒子線照射によるDNA DSBの初期修復 (他6編)}, year = {2007} }