@misc{oai:repo.qst.go.jp:00062159, author = {平山, 亮一 and 鵜澤, 玲子 and 野口, 実穂 and 松本, 孔貴 and 渡邉, 雅彦 and 小池, 幸子 and 古澤, 佳也 and 安藤, 興一 and 岡安, 隆一 and 平山 亮一 and 鵜澤 玲子 and 松本 孔貴 and 小池 幸子 and 古澤 佳也 and 安藤 興一 and 岡安 隆一}, month = {Jul}, note = {はじめに: 1921年にHolthausenが酸素効果を発見してから現在に至るまで、多くの研究者により化学ならびに生物学分野においてその現象が観察されてきた。X線照射においてIn vitroにおける酸素効果は細胞生存率でOERは2.8、初期DNA-DSBでは5.7であった[1]。また、修復5時間後の残存DNA-DSBのOERは3.4であり、修復過程を経ることによりDNA損傷のOERは減少することを報告した。他方、In vivoにおいては細胞生存率でOERは2.5であることが報告されている[2]。しかし、in vivoからのDNA損傷の検出・定量評価の報告は数少なく、さらに酸素効果についての知見はほとんど無い。本研究ではマウス扁平上皮癌であるSCCVIIを用いてin vitroとin vivoにおいて酸素下ならびに低酸素下でのDNA-DSBを指標に酸素効果についての知見を得ることにした。 \n材料・方法: In vitro:SCCVII細胞を照射24時間前にガラスシャーレ上に播き培養した(2×105cells/40mmΦ Dish)。純窒素と二酸化炭素の混合ガス(95:5)を1時間細胞に吹き付け細胞を低酸素状態にした。X線照射は修復を避けるため低温(4℃)で照射を行った(200kVp, 20mA, 4.9Gy/min)。照射後の修復は大気下、37℃で1時間行った。DNA-DSBの定量は定電圧電気泳動法を用いた。 In vivo:SCCVII細胞(106cells/0.01ml)をC3H雄マウスの大腿皮下に移植し、腫瘍径約8mmに達したマウスを麻酔下で局所照射を行った(3.5Gy/min)。低酸素条件は大腿部を輪ゴムにて止血し、15分経過後に照射を行った。照射後直ちにまたは照射1時間後にマウスを安楽死させ氷水にて腫瘍部を冷却した。腫瘍を摘出し定電圧電気泳動にてDNA-DSBを検出・定量評価した。 \n結果: In vitroとin vivoでの初期DNA-DSBのOERはそれぞれ3.9と1.7であり、OERに大きな違いが現れた。現在、修復1時間後の残存DNA-DSBのOERを求めているが、in vitroとin vivoどちらも初期DNA-DSBのOERとほぼ同じ値(もしくは若干小さい)となる傾向を示している。 DNA-DSB生成量を比較すると、in vitroに比べin vivoではDNA-DSBの生成量が少ないことも判明した。 \n考察・結論: DNA-DSBのOERの違いについてin vitroとin vivoで大きく異なる原因について手持ちのデータだけでは十分な解釈は行えない。In vivoにおいて生体内での酸素濃度は一般に大気中よりもはるかに低く、癌組織では数%である。そのような環境ではin vitroにはない放射線抵抗性能力を獲得したのかもしれない。現在、修復1時間後の残存DNA-DSBを精査することにより、DNA-DSBの修復効率を調べ、修復の観点から考察する予定である。また、in vivo-in vitro assay法(コロニー形成法)よりX線に対する感受性についても調べる予定である。 \n文献: [1]R. Hirayama et al., J. Radiat. Res., 46 (2005) 325-332. [2]R. J. Berry et al., Brit. J. Radiol., 37 (1964) 948-951., 第37回放射線による制癌シンポジウム/第46回日本医学放射線学会生物部会学術大会}, title = {DNA損傷で観たin vitroとin vivoにおける酸素効果}, year = {2007} }