@misc{oai:repo.qst.go.jp:00061827, author = {廣部, 知久 and 廣部 知久}, month = {Sep}, note = {動物にとって皮膚は体を覆い、内部を保護する器官として重要である。また、皮膚はその色により個体の行動的特性を決め、個体の生存を支えているといっても過言ではない。この動物の皮膚の色や毛色を決めているのはメラニン(黒色メラニンと黄色メラニン)という色素であり、この物質の量や性質の違いにより皮膚の色や毛色が決められている。このメラニンはメラノサイトというメラニンを生成するために特殊化された細胞において生成され、メラニンをメラノソームと呼ばれる小さな顆粒にためて、皮膚の主たる細胞であるケラチノサイトに輸送し、皮膚色や毛の色を決めている。このメラノサイトの増殖と分化が動物の皮膚の色の決定には重要な鍵を握っている。  メラノサイトの起源をたどってみると神経冠細胞に由来することがわかっている。胚発生の胎生期に背側から腹側に移動し、真皮を通り表皮に達する。真皮、表皮において神経冠はメラノサイトのもとになるメラノブラストとなり、この増殖が盛んに行われ、やがてメラノサイトへの分化が行われる。メラノブラストの増殖に重要な働きをするのがケラチノサイトから出されるエンドセリンという生理活性物質であり、メラノサイトの分化に重要な働きをするのが脳下垂体中葉から分泌されるメラノサイト刺激ホルモンというホルモンであることがわかってきた。  一方、動物の皮膚の色や毛色発現に関しては、多くの毛色遺伝子が重要な働きをしていることがわかってきた。それらの遺伝子はメラニンの生成を抑制したり、黒色メラニン、黄色メラニンの生成を転換させたり、メラノソームの形成を抑制したりして制御している。  以上のことから、皮膚の色を決めているメラノサイトの増殖・分化には組織環境と毛色遺伝子が重要で、組織環境は増殖因子・分化因子を産生し、制御し、また、毛色遺伝子はメラノサイト自身、また組織環境において発現し、メラノサイトの分化の過程を規則正しく制御している。, 第77回日本動物学会}, title = {マウスの表皮メラノサイトの増殖・分化制御機構}, year = {2006} }