@misc{oai:repo.qst.go.jp:00061746, author = {佐藤, 大樹 and 遠藤, 章 and 山口, 恭弘 and 大町, 康 and 宮原, 信幸 and その他 and 遠藤 章 and 山口 恭弘 and 大町 康 and 宮原 信幸}, month = {Sep}, note = {高LET放射線である中性子は,ガンマ線やX線に比べて生物効果が強いことが知られている。しかし中性子被ばく疫学集団がガンマ線に比べて極めて少ないため,発がんをはじめとする生体影響評価には主に動物実験のデータから算出された生物学的効果比(RBE)が利用されている。 このRBE算出において,通常その値は体外放射線場の特性にのみ基づいている。しかし,体外放射線場が同一であっても,マウスなど小動物とより大きなヒトでは,問題とするエンドポイントに関係する標的臓器が曝される放射線場は大きく異なる。このため,動物実験から得られたRBEをヒトに対する影響評価に応用するには,体内放射線場の特性(組織にエネルギーを付与している荷電粒子の種類とエネルギー)も考慮した解析が必要である。 本研究では,中性子誘発マウス骨髄性白血病データ解析のため,その実験に用いられているマウスの精密なボクセルファントムを開発し,粒子輸送シミュレーションにより体外及び体内放射線場の特性を解析した。まず,実験動物用マイクロX線CTを用いマウスのCT画像を取得した。スライス幅は0.1mm,各スライスにおける分解能は0.02mmである。CT画像から3次元ボクセルデータへの再構築及び粒子輸送計算は,それぞれ日本原子力研究開発機構で開発されたJCDS(JAERI Computational Dosimetry System)及びPHITS(Particle and Heavy Ion Transport code System)を用いて行った。PHITSは評価済み核データを用いて高精度の中性子輸送を模擬する他に,体内で発生する各種荷電粒子のLET,エネルギースペクトル等を計算できる。発表では,開発したボクセルファントムとそれを用いた様々な入射中性子エネルギーにおける計算結果の詳細を示す。 これまでの多くの中性子発がん実験は、動物系統や腫瘍の種類によって様々なRBEをとることを示しているが、エネルギー依存性に関する報告は極めて乏しい。原爆被爆者における中性子被曝線量はガンマ線にくらべるとかなり低いため、RBEの推定には大きな誤差を含む。また、中性子の生体相互作用は複雑であり、解剖学的特性を考慮した線量・エネルギーの評価がなされていないことも、実験動物からヒトへの外挿が困難となっている要因と思われる。動物実験におけるRBEをヒトにおける防護やリスク推定に反映するためには、中性子線のエネルギー沈着の動態と生体側の反応の双方から種差を検討するとともに、細胞傷害や突然変異に関するインビトロ実験などのメカニズム研究も必要である。さらに、これらのエネルギー依存性について理解する必要がある。 放医研では、サイクロトロンならびに静電加速器由来の異なるエネルギーの速中性子線を用いて、発がんをはじめとした生物影響実験を進めている。これらの現状についても紹介し、中性子線の生物影響効果研究の今後について議論したい。, 第49回日本放射線影響学会}, title = {ボクセルファントムを用いたマウスの体内放射線場の特性解析}, year = {2006} }