@misc{oai:repo.qst.go.jp:00061745, author = {大町, 康 and 大町 康}, month = {Sep}, note = {中性子線は低LET放射線と比べ生物影響が強く、その影響の程度にはエネルギー依存性があり、ヒトでのリスクを考える上で評価対象とする中性子線のエネルギー範囲は広い。リスクを考える際、生物学的評価値として生物学的効果比(RBE)が、防護量として放射線荷重係数(wR)がある。RBEとwRのレビュー(ICRP Pub.92)では、染色体異常、雄マウス寿命短縮、雄ラット腫瘍誘発に関するRBE値がwRや固形腫瘍名目リスク係数などの設定に利用されているとあるものの、実際の生物影響効果とどれほど整合性があるのかは依然として不明である。ICRP2005で提案されているwRは、中性子の生体における物理学的挙動が基本となっている。 これまでの多くの中性子発がん実験は、動物系統や腫瘍の種類によって様々なRBEをとることを示しているが、エネルギー依存性に関する報告は極めて乏しい。原爆被爆者における中性子被曝線量はガンマ線にくらべるとかなり低いため、RBEの推定には大きな誤差を含む。また、中性子の生体相互作用は複雑であり、解剖学的特性を考慮した線量・エネルギーの評価がなされていないことも、実験動物からヒトへの外挿が困難となっている要因と思われる。動物実験におけるRBEをヒトにおける防護やリスク推定に反映するためには、中性子線のエネルギー沈着の動態と生体側の反応の双方から種差を検討するとともに、細胞傷害や突然変異に関するインビトロ実験などのメカニズム研究も必要である。さらに、これらのエネルギー依存性について理解する必要がある。 放医研では、サイクロトロンならびに静電加速器由来の異なるエネルギーの速中性子線を用いて、発がんをはじめとした生物影響実験を進めている。これらの現状についても紹介し、中性子線の生物影響効果研究の今後について議論したい。, 第49回日本放射線影響学会}, title = {中性子線の生物影響効果}, year = {2006} }