@misc{oai:repo.qst.go.jp:00061536, author = {今岡, 達彦 and 西村, まゆみ and 寺本, 彩子 and 西村, 由希子 and 太田原, 雅美 and 柿沼, 志津子 and 前川, 昭彦 and 島田, 義也 and 今岡 達彦 and 西村 まゆみ and 寺本 彩子 and 西村 由希子 and 太田原 雅美 and 柿沼 志津子 and 島田 義也}, month = {Aug}, note = {目的  人間は多数の発癌要因へ複合的に暴露されているが、複数の発癌要因による発癌メカニズムには不明の点が多い。これまでヒトおよび実験動物における複合発癌の観察から、相乗・相加などの複合現象が知られている。そのメカニズムとして、同一の一次作用をもつ二要因は類相加性を、まったく独立の作用をもつ二要因は異相加性を、多段階過程の異なる段階に作用する二要因は相乗性を示すと考えられているが、これは単独発癌メカニズムからの演繹に過ぎない。本研究は、実験動物の複合発癌メカニズムを解析するために行われた。 \n方法  ラット乳腺腫瘍の放射線および1-メチル-1-ニトロソウレア(MNU)による誘発モデルを用いた。Sprague-Dawleyラットを7週齢でγ線(2 Gy)全身照射群、MNU(40 mg/kg)腹腔内投与群、複合処理群、対照群に分けて処理し、約300日の観察期間の後、触知腫瘍を発症した個体を解剖して、病理解析ならびにH-ras遺伝子コドン12および13の突然変異解析を行った。 \n結果  (1) 乳腺腫瘍は腺癌および線維腺腫に大別された。単独暴露群と比べて複合暴露群では、腺癌の発生頻度の増加および潜伏期間の短縮が見られたが、線維腺腫にはそのような複合の影響が見られなかった。(2) H-ras遺伝子の変異は、線維腺腫には見られなかった。腺癌においてはMNU誘発のものにのみ見られ、γ線単独によって誘発された腺癌には見られなかった。(3) (1)で観察された腺癌発生への複合暴露の影響を詳しく調べるため、H-ras変異のある腺癌とない腺癌にわけて解析したところ、H-ras遺伝子変異のある腺癌にのみ複合暴露による発生頻度の増加および潜伏期間の短縮が見られ、変異のない腺癌にはそのような複合の影響が見られなかった。 \n考察  ラット乳腺腫瘍の誘発において、γ線は単独の場合、H-ras遺伝子変異を介さない経路で腺癌および線維腺腫を誘発する。一方MNUは単独の場合、H-ras変異を介する経路および介さない経路で腺癌を誘発し、H-ras変異を介さない経路で線維腺腫を誘発する。複合発癌においてはこれらとは別に、H-ras変異を介する経路をγ線が促進していることを、本結果は示している。この経路ではγ線とMNUが同一過程の異なる二段階に作用しており、原理的には相乗的に作用する可能性もある。またこの結果は、複合発癌の場合に、単独発癌メカニズムから推測されるよりも複雑な複合様式が存在することも示唆している。, 第14回乳癌基礎研究会}, title = {放射線−MNU複合暴露によるラット乳腺腫瘍の協同的誘発メカニズム}, year = {2004} }