@misc{oai:repo.qst.go.jp:00060763, author = {松井, 一彰 and 石井, 伸昌 and 川端, 善一郎 and 石井 伸昌}, month = {Sep}, note = {1.はじめに \n アオコの形成は,富栄養化の進行した湖沼などでよく見られる.アオコは特有の臭気や浄水過程において濾過障害を引き起こすとともに,毒素を生産することがある.この毒素含む水を飲んだ動物が死亡したとの報告もある.このようなことから,アオコは湖沼における“厄介者”としてのイメージが強く,ウイルスや細菌を利用したアオコの駆除やアオコが生産する毒素の生化学的研究が活発に行われてきた.ところが,湖沼生態系におけるアオコの存在意義については,ほとんど研究例がない.Microcystis aeruginosaはアオコを形成する藍藻類の一種である.そこで我々は,M. aeruginosa用いてアオコの生態学的役割について検討することを試みた.  生態学的役割として,水環境中に存在する細胞外DNAの生産に対するM. aeruginosaの関与について着目した.細胞外DNAの多くは細菌に由来することから,M. aeruginosaと大腸菌との混合培養を行い,大腸菌による細胞外DNAの放出,および細胞外に放出されたDNAの遺伝子としての機能の有無に対する効果について検討した. \n2.実験方法 \n M. aeruginosaと大腸菌(Escherichia coli LE392)を改変C培地で17日間混合培養を行った.同時に各微生物の単独培養も行った.E. coliには蛍光蛋白質遺伝子(egfp)をマーカーとして組み込んだプラスミド(pKZ105)を導入した.このプラスミドの細胞外への放出を指標として,細菌による細胞外DNA生産に対するM. aeruginosaの関与を評価した.また細胞外へ放出されたプラスミドDNAの形質転換能は,E. coli competent cellを用いた形質転換実験行い,egfp遺伝子の発現により確認した. \n3.結果と考察 \n 培養を行った17日間,E. coli pKZ105の単独培養において細胞外DNAの放出は確認できなかった.M. aeruginosaの単独培養では,培養7,10,および17日目において細胞外DNAが検出された.一方,M. aeruginosaとE. coli pKZ105の混合培養では,培養3日目にのみ細胞外DNAが確認できた.この細胞外DNAにegfp遺伝子配列の一部が含まれることは,ドットブロットハイブリダイゼーション法で確認した.この細胞外に放出された細胞外DNAを用いて形質転換実験を行った結果,competent cellsはegfp遺伝子蛋白質を発現した.つまり細胞外DNAに遺伝子として機能するDNAが存在していたことが示された.  これらの結果より,M. aeruginosaはE. coli pKZ105から細胞外DNAを放出させる効果を有することが示唆された.さらに,生産されたDNAには遺伝子として機能するDNAが含まれていたことより,M. aeruginosaは細胞外DNAを通じた細菌間の遺伝子水平伝播にも関与している可能性が示唆される. \n参考文献 1)K. Matsui, N. Ishii, Z. Kawabata. (2003) Release of extracellular transformable plasmid DNA from Escherichia coli cocultivated with algae. Appl. Environ. Micro, 日本陸水学会大69回大会}, title = {Escherichia coliの細胞外DNA生産に対するMicrocystis aeruginosaの効果}, year = {2004} }