{"created":"2023-05-15T14:44:26.558973+00:00","id":60762,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"0af8dbcf-d542-4782-88aa-22dd4c7e00f5"},"_deposit":{"created_by":1,"id":"60762","owners":[1],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"60762"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:repo.qst.go.jp:00060762","sets":["10:29"]},"author_link":["602482","602486","602491","602493","602488","602484","602487","602489","602490","602485","602483","602492"],"item_10005_date_7":{"attribute_name":"発表年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_date_issued_datetime":"2004-09-20","subitem_date_issued_type":"Issued"}]},"item_10005_description_5":{"attribute_name":"抄録","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"1.はじめに\n\\n デオキシリボ核酸(DNA)は通常細胞内にあり,遺伝子として働いている.ところが河川や湖沼,海水を孔径0.2μmのフィルターで濾過した濾液中にもDNAは存在する.水環境中に生息する微生物のほとんどが,この孔径より大きなサイズであることから,濾液中のDNAは細胞外に存在していると言える.つまり,水環境中には細胞外DNAが存在している.\n 我々は,培養実験において細菌細胞からのDNAの放出,および放出されたDNAが遺伝子としての機能を有することを明らかにした1).細胞内DNAは細胞により環境ストレスから防御されているが,細胞外DNAは様々なストレスに直接さらされる.従って,細胞外DNAの遺伝子としての機能に対する環境ストレスの影響を知ることは重要である.\n 例えば,過去に行われた大気圏内核実験あるいはチェルノブイリ原発事故などにより水環境中に放出された放射性物質は環境ストレス要因の一つと考えられる.そこで,本研究では細胞外DNAの遺伝子としての機能に対する放射線の影響について検討した.\n\\n2.実験方法\n\\n 遺伝子としての機能を有する細胞外DNAのモデルとして,plasmid pEGFP (Clontech, Palo Alto, Calif.)を用いた.このプラスミドは,放射線医学総合研究所内の防火プール(縦:25 m,横:7 m,高さ:1.4 m)およびTris-EDTA buffer (pH 8.0)に終濃度2μg mL-1となるよう添加した.プール水に関しては,微生物や溶存しているDNA分解酵素によるプラスミドDNAの分解を避けるため, DNA添加前に孔径0.45μmのフィルターでプール水を濾過し,その後オートクレイブ滅菌した.準備したこれら2種類の細胞外DNAサンプルに対し,60Coを用いてγ線を照射した.γ線照射後,プラスミドDNAのアガロースゲル電気泳動を行い,鎖切断を画像解析ソフトNIH imageで求めた.プラスミドDNAの形質転換能は,Escherichia coli DH5α competent cellを用いて形質転換を行い,プラスミドDNA上の緑色蛍光タンパク遺伝子(egfp)の発現により確認した.\n\\n3.結果と考察\n\\n γ線照射したプラスミドpEGFPを用いた形質転換実験の結果,γ線照射線量の増加に伴い形質転換細胞数が減少することが分かった.しかしながら,γ線の効果は溶液により異なった.未照射サンプルを用いた形質転換細胞数と比較して,プール水では10 Gy照射により有意な形質転換細胞数の減少が確認された(P < 0.01).一方,TE-bufferでは同じ線量で形質転換細胞数に有意な差は得られなかった.電気泳動の結果,プール水におけるプラスミドDNA鎖切断の割合はTE-bufferのそれと比較して高いことが分かった.さらに,電気泳動ゲルより回収したスーパーコイル,一本鎖切断,および二本鎖切断DNAを用いて形質転換を行った結果,一本鎖切断および二本鎖切断DNAによる形質転換細胞数は,スーパーコイル状のDNAによる形質転換細胞数の,それぞれ22%および0.1%であった.以上の結果より、各溶液に含まれる成分が、γ線によるDNA鎖切断の割合に関与したことが示唆された。また、この鎖切断が細胞外DNAの遺伝子としての機能を消失させることが分かった.\n\\n参考文献\n1)K. Matsui, N. Ishii, Z. Kawabata. (2003) Release of extracellular transformable plasmid DNA from Escherichia coli cocultivated with algae. Appl. Environ. 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