@misc{oai:repo.qst.go.jp:00060333, author = {田辺, 徹美 and 田邊 徹美}, month = {Mar}, note = {磁気型イオン貯蔵リングによる原子衝突の研究は多くの成果をもたらした。一方、静電型イオン貯蔵リングは、磁気型貯蔵リングの特徴の全てを引き継ぐことはできないが、イオンの静電剛性が質量に依存しないことから、質量に関係なく重い分子イオンを貯蔵することができるという大きな特徴がある。図に示すKEKの静電型イオン貯蔵リング [1]では、electrospray イオン源とイオントラップを組み合わせることによって、大強度パルス状生体分子イオンビームを発生させ、質量分析の後リングに入射し、長時間貯蔵することに成功した [2]。 さらに、生体分子と電子の衝突研究を行うために電子ビーム装置を建設した [3]。図に示すようにリングの外部で発生させた電子を、断熱膨張させた後、リングの直線部に導入し、20 cm の長さにわたってイオンと併走させる。衝突部で発生した中性粒子をリングの外に設置したMCPで検出する。まず、+1価のペプチドイオンと電子の衝突で放出される中性粒子を検出した。その結果、特定の衝突エネルギー 6.5 eVおよび9 eV で生成率が増大する現象を発見した。この共鳴状ピークの原因は、電子捕獲、励起によるペプチド結合の切断であると考えられる [4]。さらに、DNA およびペプチドの負イオンと電子の衝突を研究した。その結果、中性粒子放出の閾値がイオンの電荷に比例して約10 eVのステップで規則的に増大する現象を発見した。この原因は電子の集団運動によると推定される。これらの結果について報告する。 \nT.Tanabe et al.,[1] Nucl. Instr. and Meth. A 482 (2002) 595, [2] Nucl. Instr. and Meth. A 496 (2003) 233, [3] Nucl. Instr. and Meth. A (2004) in press, [4] Phys. Rev. Lett. 90 (2003) 193201., 日本物理第59回年次大会}, title = {イオン貯蔵リングによる電子・生体分子イオン衝突の研究}, year = {2004} }