@misc{oai:repo.qst.go.jp:00060282, author = {鈴木, 雅雄 and ツォウ, ホンイン and ヘイ, トム and 鶴岡, 千鶴 and 藤高, 和信 and 鈴木 雅雄 and 鶴岡 千鶴 and 藤高 和信}, month = {Oct}, note = {近年放射線が照射される局所での低密度照射の粒子線照射場においては、直接粒子線のヒットを受けた細胞がそのストレスに対して“一次的”な応答をした結果、その近傍にある直接ヒットを受けていない細胞に何らかの“二次的”な応答が生じ、細胞集団として放射線生物作用を修飾する、すなわち直接ヒットを受けていない細胞に対するヒットを受けた細胞の間接的影響が現れる、という“バイスタンダー効果”と称する実験結果が粒子線マイクロビームを用いた研究から報告されている。このバイスタンダー効果と呼ばれる現象は、特に宇宙放射線に含まれるような重粒子線の低密度照射の生物影響を考える上で重要な因子の一つである。本報告は米国コロンビア大学加速器施設の4.2 MV バンデグラーフ加速器によって5.3MeVに加速されたHeイオンシングルビーム(stopping power 90keV/オm)を用いて、培養細胞のクロマチン損傷レベルにおいてバイスタンダー効果が観察されるのか否かを調べた実験結果である。 まず、1個のHeイオンを100%の細胞の細胞核に照射した場合、細胞当たり3、4、5、6個のクロマチン切断数を持つ細胞が全体の約90%を占めた。一方、1個のHeイオンを20%の細胞核に照射した場合、100%の細胞核に照射した時に見られた分布(3、4、5、6個の切断数)に占める割合が約20%で、1、2個の切断数を持った細胞は40%に上昇した。また、1個のHeイオンを20%の細胞核に照射し細胞間の情報伝達を薬剤で遮断した条件では、3、4、5、6個の切断数に占める割合は、細胞間情報伝達を阻害しない場合と同様約20%であったが、1、2個の切断数に占める割合が非照射時と同様で、結果として非照射の場合の切断を持たない細胞数のうち約20%が3、4、5、6個の切断数を持つ分布へとシフトした形になった。以上の結果は、クロマチン切断誘発においてバイスタンダー効果が存在することを示すものと考える。さらに、細胞間情報伝達阻害剤によって上記の現象はほぼ完全に抑えられたことから、バイスタンダー効果で誘発されたクロマチン切断は、細胞間情報伝達に係わった何らかのメカニズムによって誘発されたものであることが示唆される。, 第17回宇宙生物科学会}, title = {He イオンマイクロビームによるクロマチン損傷誘発のバイスタンダー効果}, year = {2003} }