{"created":"2023-05-15T14:44:04.170583+00:00","id":60266,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"aead9031-b9fd-40b1-8ba8-32036e3c62d9"},"_deposit":{"created_by":1,"id":"60266","owners":[1],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"60266"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:repo.qst.go.jp:00060266","sets":["10:29"]},"author_link":["598951","598952"],"item_10005_date_7":{"attribute_name":"発表年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_date_issued_datetime":"2004-02-08","subitem_date_issued_type":"Issued"}]},"item_10005_description_5":{"attribute_name":"抄録","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"重粒子線のがん治療で考慮すべき重要な因子の一つは、標的とする容積に対する不均一・低密度照射の可能性にあると考える。これは、特に高いLETの粒子線の放射線生物実験でも問題となることで、実際に放射線が“当たった細胞”と“当たらなかった細胞”が混在する、という問題である。治療においては標的とする組織の容積が区々で画一的な議論は難しいかもしれないが、がん治療での標的容積に含まれる総細胞数に対しては、数Gyの照射は低密度な照射、すなわち重粒子線の直接のヒットを受けない細胞が相当数存在している可能性を否定出来ない。そのような重粒子線の低密度照射の場合に問題となるのが近年注目を集めているバイスタンダー効果である。\n コロンビア大学マイクロビーム照射施設で行った研究から、ヘリウムイオンマイクロビームによる培養細胞の突然変異誘発に対するバイスタンダー効果において以下のような結果を得ている。\n(1) gap junctionを介した細胞間情報伝達の阻害剤であるγ-isomer of hexachloro-cyclohexane の投与により、突然変異誘発頻度がコントロール群に近く減少した\n(2) 別のgap junction阻害剤であるoctanolによっても、コントロールレベルまで誘発頻度が抑制された\n(3) gap junctionチャンネルタンパク質粒子connexonを構成するタンパク質connexinを過剰発現させた細胞において、バイスタンダー突然変異が顕著に高く誘導された\n また、培養細胞のクロマチン切断誘発においても、gap junctionを介した細胞間情報伝達を発生メカニズムとするバイスタンダー効果が生じている結果を得ており、細胞及び染色体レベルに共通して、gap junctionを介した細胞間情報伝達が重要な役割を演じるタイプのバイスタンダー効果が誘導されることが判ってきている。しかしながら現段階では、原子番号の大きな核種を利用したマイクロビーム照射技術が完全に確立されていないことから、たとえば現在放医研で癌治療に用いられている炭素イオンビームのような比較的原子番号の大きな核種のイオンビームを用いたこの類の実験データーはほとんど無い。そこで我々の研究グループでは、炭素イオンビーム低密度照射によってバイスタンダー効果が生じるのか否かを検証するために、放医研重粒子線がん治療装置(HIMAC)で低エネルギー(核子当たり6 MeV)の炭素イオンビームを用いた照射実験を行っている。このビームはマイクロビームではないが、エネルギーが低いためサンプルの細胞面の一部分を容易に覆い隠すことが出来、同一のサンプル内に直接炭素イオンのヒットを受けた細胞と直接ヒットを受けないバイスタンダー細胞を同時に混在させることが可能となる。このような照射法を用いて、通常の細胞照射実験の感覚で約0.05 Gy程度の低密度照射を行いヒト皮膚由来正常線維芽細胞における細胞致死とHPRT遺伝子座を標的とした突然変異誘発を調べた。得られた結果から、細胞致死及び突然変異誘発効果において炭素イオン低密度照射によって前述のヘリウムイオンマイクロビーム照射実験で観察されたものと同タイプの細胞間情報伝達を介した何等かのメカニズムにより誘発されるバイスタンダー効果が確認された。\n 本演題では、コロンビア大学マイクロビーム施設で行ったヘリウムイオンマイクロビームを用いた生物効果のバイスタンダー効果の検証実験を紹介し、放医研HIMACで行った低エネルギー炭素イオンビーム低密度照射によるバイスタンダー効果の実験結果を基に、重粒子線による癌治療に対してバイスタンダー効果を利用したより効率の良い治療方法の可能か否かについて話題提供をしたい。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_10005_description_6":{"attribute_name":"会議概要(会議名, 開催地, 会期, 主催者等)","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"第6回癌治療増感研究シンポジウム","subitem_description_type":"Other"}]},"item_access_right":{"attribute_name":"アクセス権","attribute_value_mlt":[{"subitem_access_right":"metadata only access","subitem_access_right_uri":"http://purl.org/coar/access_right/c_14cb"}]},"item_creator":{"attribute_name":"著者","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"鈴木, 雅雄"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"598951","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]},{"creatorNames":[{"creatorName":"鈴木 雅雄","creatorNameLang":"en"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"598952","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]}]},"item_language":{"attribute_name":"言語","attribute_value_mlt":[{"subitem_language":"jpn"}]},"item_resource_type":{"attribute_name":"資源タイプ","attribute_value_mlt":[{"resourcetype":"conference object","resourceuri":"http://purl.org/coar/resource_type/c_c94f"}]},"item_title":"細胞間情報伝達を介した粒子放射線バイスタンダー効果の癌治療応用の可能性","item_titles":{"attribute_name":"タイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_title":"細胞間情報伝達を介した粒子放射線バイスタンダー効果の癌治療応用の可能性"}]},"item_type_id":"10005","owner":"1","path":["29"],"pubdate":{"attribute_name":"公開日","attribute_value":"2004-02-09"},"publish_date":"2004-02-09","publish_status":"0","recid":"60266","relation_version_is_last":true,"title":["細胞間情報伝達を介した粒子放射線バイスタンダー効果の癌治療応用の可能性"],"weko_creator_id":"1","weko_shared_id":-1},"updated":"2023-05-15T21:55:39.508383+00:00"}