@misc{oai:repo.qst.go.jp:00060053, author = {竹下, 啓蔵 and 藤井, 香織 and 安西, 和紀 and 小澤, 俊彦 and 竹下 啓蔵 and 藤井 香織 and 安西 和紀 and 小澤 俊彦}, month = {Oct}, note = {【序論】電離放射線は水分子を励起または電離により分解しヒドロキシルラジカル(.OH)を生じさせることが知られている。生体内においてこれにより生じた .OHは放射線障害の引き金となるものと考えられている(放射線の間接作用)。.OHは極めて反応性が高く、寿命が非常に短い。そのため、放射線の組織障害メカニズムの解明や放射線防護剤の評価のためには、.OHを生体内で測定する必要がある。しかし、これまでに放射線で生ずる・OHの生体計測に関する報告はほとんどない。今回我々はMasonら[1]の用いたin vivoスピントラップ-ex vivo ESR測定により・OHの生成を評価した。すなわち、in vivoで・OHをジメチルスルフォキシド(DMSO)と反応させて生じたメチルラジカルをa-phenyl-N-tert-butylnitrone(PBN)でスピントラップし、胆汁中に排泄されるPBNラジカル付加体をESRにより測定する(Scheme 1)。 \n【実験方法】ラット(SD、雄、300〜400 g)をネンブタールにより麻酔し、PBNのDMSO溶液を腹腔内投与した。上腹部を切開し、胆汁は試験管内でのラジカル生成を防止するためにあらかじめキレート剤(o-phenanthroline及びbathocuproinedisulfonic acid)を入れた試験管に集めた。ラットを鉛板で覆い、肝部位に空けた穴からX-線を照射した。照射は胆汁採取中に行い、胆汁中のPBN付加体をJEOL TE-100 X-バンドESR分光計により測定した。胆汁中の未反応PBNはHPLCで定量した。 \n【結果と考察】X線照射中に集められた胆汁中にはPBNのラジカル付加体の6本線のESRシグナルが検出された。このシグナルの強度の増加はX線照射の線量に依存し、約20 Gy以上の照射で認められた。このシグナルの超微細分裂定数(aN =1.61 mT、aH=0.33 mT)はin vitroでDMSO存在下 ・OH発生系で生じさせたメチルラジカルのPBN付加体のものとほぼ一致し、12C(I=0)を13C(I=1/2)に置換したDMSOを用いると13Cの超微細分裂が現れた。さらに、PBNのラジカル付加体のシグナルは抗酸化剤であるメチルガレートをあらかじめラットに投与しておくと検出されなかった。in vitroではメチルガレートは ・OHを消去するがメチルラジカルやPBNのラジカル付加体は消去しなかった。これらのことから、X線照射中に胆汁中に現れたPBNのラジカル付加体は ・OH依存的にDMSOから生じたメチルラジカルのPBN付加体であることが確認され、この方法により放射線照射により生体内で生成する ・OHを測定できることが示唆された。今後この方法を放射線防護剤のin vivo における ・OH消去活性評価などに利用できるものと期待される。 \n【参考文献】 1. Burkitt, M. J.; Mason, R.P. Direct evidence for in vivo hydroxyl-radical generation in experimental iron overload: an ESR spin-trapping investigation. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:8440-8444; 1991., 第42回電子スピンサイエンス学会年会}, title = {X線により生体内で生成するOHラジカルのin vivo スピントラップ/ex vivo ESR測定法による評価}, year = {2003} }