@misc{oai:repo.qst.go.jp:00059154, author = {天知, 誠吾 and 村松, 康行 and 天知 誠吾 and 村松 康行}, month = {Oct}, note = {微生物は環境中の窒素や硫黄・リンの化学形態、ひいてはその環境中における動態に大きな影響を及ぼしている。このような主要元素のみならず、微生物は環境中に微量存在する放射性核種の動態変化にも貢献している。例えばウランやテクネチウムの酸化還元反応に関与する微生物は、間接的にこれら核種の環境動態に影響を及ぼしていると言える。さらに直接的な例としては、セシウムやウランを吸着・蓄積する微生物が知られている。微生物の代謝機能は非常に多様なため、他の放射性核種においても、その環境動態に何らかの影響を与えている可能性がある。以下にその一例として、我々がおこなった放射性ヨウ素と微生物との関連について述べる。 ヨウ素-129(半減期:1600万年)は核燃料再処理や核実験に伴い環境中に放出される可能性のある放射性核種である。I-129の作物などへの移行を考えるとき、その土壌中における動態は重要である。土壌粒子は一般的にヨウ素を強く吸着するが、蒸気滅菌(オートクレーブ)処理した土壌ではその吸着能は著しく低下していた。これは土壌中に存在する微生物がヨウ素の吸着に何らかの影響を与えていることを示唆している。また水田のように灌水した土壌からは、酸化還元電位の低下に伴ってヨウ素が土壌溶液中に溶け出し、しかもそのヨウ素がメチル化され、ヨウ化メチル(CH3I)となって大気中に揮散することが分かった。このヨウ素の有機揮発化にも微生物が関与している可能性を検討するため、約20種類の微生物菌株(バクテリア)を用いて実験をおこなったところ、その半数以上にヨウ素のメチル化能が認められた。またその反応は、微生物の有する酵素が触媒していることも明らかになった。 このように環境中におけるI-129の蓄積や、化学形態の変化、土壌中での移行、大気中への揮散というプロセスには微生物が大きく関わっていると考えられる。また同時にこれらの知見は、未だ不明な点の多い安定ヨウ素(I-127)の生物地球化学的な循環にも、微生物が多大な貢献をおこなっていることを示唆している。, 日本放射線影響学会第44回大会}, title = {放射性核種の環境動態に及ぼす微生物の影響}, year = {2001} }