@article{oai:repo.qst.go.jp:00058762, author = {今井, 礼子 and 辻, 比呂志 and 今井 礼子 and 辻 比呂志}, issue = {7}, journal = {脊椎脊髄ジャーナル}, month = {Jul}, note = {重粒子とは原子番号2(ヘリウム)以上の粒子のことを指し、重粒子線治療に用いられるのは炭素イオン線である。重粒子線の特徴は、イオン粒子としての性質(ブラックピーク)をもっていることである。高速の荷電粒子は物質内を通過するとき電離を起こしながら次第にエネルギーを失っていくが、停止する直前で最大エネルギーを放出しその後エネルギーはほぼゼロになる。 この現象をブラックピークといい、発見者の名前にちなんでつけられた。つまり、体表から重粒子線が侵入後、ターゲット(がん病巣)に到達するまでは、周囲(正常組織)に付与する線量は低く、ターゲット部分で最大線量となり、ターゲットの向こう側はほとんど照射されない。この性質を活かして、重粒子線治療ではがん病巣に大線量を照射することができる。陽子線もブラックピークをもつ荷電粒子線であるが、違いは、炭素イオン線のほうが単ビームでみれば半影(ビームの外縁のぶれ)が少ないシャープなビームであることであり、ビームがシャープなほうが脊髄や食道などのリスク臓器を避ける場合には有利である。もう1つの陽子線との違いは、生物学的効果(細胞胞効果)が高いことである。炭素イオン線は、ブラックピークでは周囲を電離させる力(線エネルギー付与「LET])が高くなる。がん細胞の中心部分の低酸素細胞は放射線抵抗性であるが、炭素イオン線はこのような細胞に対しても有効であることが実験系で明らかになっている。}, pages = {689--693}, title = {重粒子線による悪性脊椎肉腫に対する治療}, volume = {30}, year = {2017} }