@article{oai:repo.qst.go.jp:00058085, author = {谷川, 攻一 and 富永, 隆子 and 立崎, 英夫 and 明石, 真言 and その他 and 富永 隆子 and 立崎 英夫 and 明石 真言}, journal = {日本救急医学会雑誌}, month = {}, note = {東日本大震災は,これまでに経験したことのない 規模の地震・津波による被害と福島第一原子力発電 所の事故を特徴とした複合型災害である。3 月11 日 に発生した地震と巨大津波により福島第一原子力発 電所は甚大な被害を受けた。3 月12 日には1 号機が 水素爆発を起こし,20km圏内からの避難勧告が出 された。14 日には3 号機が爆発,15 日の4 号機爆発 後には大量の放射性物質が放出されるという最悪の 事態へと進展した。一方,この間,原子力災害対応 の指揮本部となるべく福島県原子力災害対策セン ターも損壊を受け,指揮命令系統が十分に機能しな い状態となった。20km圏内からほとんどの住民が 避難する中で,医療機関や介護施設には推定でおよ そ840 名の患者が残されていた。これらの患者に対 して3月14日に緊急避難が行われた。しかし,避難 患者の受け入れ調整が困難であり,重症患者や施設 の寝たきり高齢患者などが長時間(場合によっては 24 時間以上)にわたりバス車内や避難所に放置さ れる事態が発生した。不幸にも,この避難によって 20 名以上の患者が基礎疾患の悪化,脱水そして低 体温症などで死亡した。一連の水素爆発により合計 15 名の作業員が負傷した。その後,原子炉の冷却 を図るべく復旧作業が続けられたが,作業中の高濃 度放射線汚染による被ばくや外傷事例が発生した。 しかし,20km圏内に存在する初期被ばく医療機関 は機能停止しており,被ばく事故への医療対応は極 めて困難であった。今回の福島原子力発電所事故で は,幸い爆発や放射線被ばくによる死者は発生して いないが,入院患者や施設入所中の患者の緊急避難 には犠牲を伴った。今後は災害弱者向けの避難用 シェルターの整備や受け入れ施設の事前指定,段階 的避難などを検討すべきである。また,緊急被ばく への医療対応ができるよう体制の拡充整備と被ばく 医療を担う医療者の育成も急務である。}, pages = {782--791}, title = {福島原子力発電所事故災害に学ぶー震災後5日間の医療活動からー}, volume = {22}, year = {2011} }