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アイテム
放射線治療の現在と未来
https://repo.qst.go.jp/records/57989
https://repo.qst.go.jp/records/5798985cce432-688b-4130-bcb8-8c1206363e1b
Item type | 一般雑誌記事 / Article(1) | |||||
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公開日 | 2011-11-22 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 放射線治療の現在と未来 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_6501 | |||||
資源タイプ | article | |||||
アクセス権 | ||||||
アクセス権 | metadata only access | |||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_14cb | |||||
著者 |
唐澤, 久美子
× 唐澤, 久美子× 唐澤 久美子 |
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抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 日本人の半数ががんになる時代である。我が国のがん患者に対する放射線治療の利用率2:7.6%であり、まだまだ世界水準の日%、欧米のω%以上には遠く及ばないが、年々増加してきている。 2009年の日本放射線腫蕩学会り(JSTRO)の構造調査によれば、日本の放射線治療実施施設数は770と推測され、推定新患数は20万1,000人、再患数を加えた放射線治療実施患者数は約24万人である。その伸びは急激で、今から4年後の2015年には新患数36万人、再患を加えた患者数 は43万2,000人と推定されている。嘗ての放射線治療は、手術の補助療法、対症療法などの比率が高く、効果と有害事象の兼ね合いを考慮した有用性は手術に引けを取っていた。ところが、今は違っている。例えば、30年前は手術が最も良い手段と言われていた前立腺癌は、放射 線療法と内分泌療法の組み合わせで治療するのが標準になってきている。痛い思いもせず、治療後の機能障害も少なく、入院の必要もなく会社帰りの通院で治すことも可能になったのである。誰だって体に優しい治療は歓迎なはずで、これを可能にしたのは、技術と機器の進歩である。放射線治療装置数は、2009年の調査で、リニアック816台、サイバーナイフ17台、ノパリス15台、トモセラピー12台、粒子線治療装置6台で、複雑(4門以上の照射、運動照射、原体照射)と算定された放射線治療の管理科算定件数は57,946件(管理料総数に占める割合28.6%)、脳定 位照射13,855件、体幹部定位照射2,537件、IMRT4,296件で、あった。高精度治療の伸びは目覚ましく、特にIMRTの件数の伸びは2∞7年との比較で1.5倍以上である。 放射線治療実施施設数770は少ない数字ではないが、大都市集中であり、均てん化が必要である。例えば筆者が住んでいる人口19万の東京都文京区には放射線治療施設が5、リニアックが11台ある。日本の人口を1億3千万人として総施設数と装置数で割ると、1施設当たりの担当人口は17万人弱、リニアック1台当たりの担当人口は16万人弱となるのと比較すると凄い密度である。それだけ不足している地域があると言うことで、地域格差の解消は今後の課題である。また、 個々の施設の規模と質の向上、放射線腫瘍専門医・医学物理士・放射線治療専門放射線技師・放射線治療専門看護師などの専門スタッフ育成と生涯教育制度の充実も益々重要である。IMRTは欧米では標準治療となってきているが、日本で2009年度に施行していた施設は101で全体の 15%にも満たない数であるが、この原因は装置とスタッフ不足である。 しかしX線治療とは違い、日本は粒子線治療では群を抜いた先進国である。現在、世界の陽子線治療施設27のうち日本が7施設、重粒子線治療施設6のうち、日本には半数の3施設がある。多くの優秀な研究者を有し、7人のノーベル物理学賞を輩出している物理大国日本の面目を示していると共に、粒子線治療装置を開発している企業の多くが日本企業であることは日本の技術力を現していて素晴らしい。米国ではIMRTが充足した今、粒子線治療の波が押し寄せており、今年 の米国放射線腫蕩学会(ASTRO)では、高精度X線治療と陽子線治療のいずれを選択すべきかの議論が活発で、あった。ここ数年で陽子線治療装置の小型化が加速しており、各社が最新技術のアイデアを出して小型化と低価格化を競った結果、米国では陽子線治療施設が建設ラッシュ となっている。そこで、今回の特集では前半で高精度 X線治療の紹介をしていただき、後半で小型陽子線治療装置の現状についてご執筆いただいた。皆様の病院でもいつ次の装置、あるいは陽子線治療装置の導入の話になるかわからない。政治家や市民の放射線治療親派も増えており、どこからか予算が舞い込んでくる可能性がないと は言えない。どうぞ各装置につき、じっくりとご検討いただき、私ならこれなどと捕らぬ狸の皮算用をなさってみて、秋のひと時を楽しくお過ごしいただければ幸いである。 |
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書誌情報 |
Rad Fan 巻 9, 号 13, p. 19-19, 発行日 2011-10 |
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ISSN | ||||||
収録物識別子タイプ | ISSN | |||||
収録物識別子 | 1348-3498 |