@article{oai:repo.qst.go.jp:00056876, author = {溝江, 純悦 and 辻井, 博彦 and 柳, 剛 and 長谷川, 安都佐 and 高木, 亮 and 溝江 純悦 and 辻井 博彦 and 柳 剛 and 長谷川 安都佐 and 高木 亮}, issue = {増刊号}, journal = {日本臨牀}, month = {Sep}, note = {重粒子線は、陽子線、速中性子線、重イオン線など電子線より重い粒子の総称であるが、その中でヘリウムイオンより重いイオンが重イオン線と呼ばれている。炭素イオン線、ネオンイオン線、シリコンイオン線などの重イオン線は、速中性子線と同様に高LET(linear nenrgy transfer)放射線の一つであり、X線や陽子線などの低LET放射線に比べ、?放射線損傷からの回復が少なく、?どの細胞周期においても放射線感受性がみられ、?低酸素細胞にも効果を発揮するなどの特徴があり、従来の放射線抵抗性癌に対しても有効な治療法となり得ると考えられている。更に、重イオン線は陽子線などと同じく荷電粒子線であるために、その物理学的特徴として、粒子の加速エネルギーに応じて体内飛程が制御可能である。そして、その飛程の週終末で最もエネルギーを放出する、いわゆるBragg peak を有しており、また、粒子の重さのために飛程の動揺および多重散乱が比較的少なく、結果として優れた線量分布を形成する。これに加えて、放射線医学総合研究所(放医研)で稼働している重粒子線加速装置HIMAC(Heavy Ion Medical Accelerator in Chiba)は、病巣の深さに応じた最適エネルギーで粒子を加速できるので、体深部癌に対する治療においても、核破砕反応を最小にした良好な線量分布を得ることが可能である。  悪性脳腫瘍の治療においては、手術療法、放射線療法、ときには化学療法が併用されるが、その結果は満足すべきものではない。このような難治性腫瘍に対して、高LET粒子線として高い生物効果と、荷電粒子線としての良好な線量分布を併せ持つ重粒子線の治療効果が期待される。Iwadateらは、脳腫瘍由来の細胞に重イオン線の一つである炭素イオン線照射を行い、X線では難治のp53遺伝子変異株で、良好な効果出現を確認している。  放医研では、1983年より国の対がん10カ年政策に参画しHIMACを完成させ、1994年6月より種々の部位別に臨床試験を開始した。1994年10月より中枢神経系腫瘍に対する重粒子線治療の有効性を明らかにするためのX線、抗がん剤、炭素イオン線併用によるフェイズ?/?臨床試験が行われ、重粒子線治療による腫瘍の局所制御の解明、および線量分割法に関する基礎的データの収集を行った。この結果を受けて、2002年4月からは、炭素イオン線単独でのフェイズ?/?臨床試験が行われている。}, pages = {432--436}, title = {重粒子線治療}, volume = {63}, year = {2005} }