@article{oai:repo.qst.go.jp:00055799, author = {水野, 和恵 and 西島, 陽祐 and 及川, 将一 and 小西, 輝昭 and 石川, 剛弘 and 磯, 浩之 and 樋口, 有一 and 松山, 成男 and 今関, 等 and 上坂, 充 and その他 and 西島 陽祐 and 及川 将一 and 小西 輝昭 and 石川 剛弘 and 磯 浩之 and 樋口 有一 and 今関 等 and 上坂 充}, issue = {NIRS-M-247}, journal = {放射線医学総合研究所技術報告書}, month = {Feb}, note = {悪性腫瘍に対する抗癌剤と放射線を組み合わせた治療(化学放射線療法)は、高い治療効果が期待できる一方で副作用も増大してしまう。そこで、ドラッグデリバリー(DDS)技術を活用して腫瘍のみに選択的に薬剤を送達し、更にピンポイントX線を用いて線量を集中させることで、副作用を抑えたまま、ピンポイントでの治療を行うX線DDSが提案されている。薬剤の候補として、放射線増感作用をもつシスプラチンを、両親媒性のポリマーに内包し、腫瘍集積性を高めたシスプラチンミセル(ナノキャリア株式会社)が有望であると考えられる。放射線との併用で治療効果の最大化を図るには、シスプラチンミセルの体内挙動、特に腫瘍内の細胞への集積メカニズムを明らかにする必要がある。しかし、シスプラチンは分子量が小さく、蛍光色素で標識すると挙動が変化する可能性があるため、これまでミクロンサイズでの生体内分布は定量的に評価されていなかった。そこで、蛍光X線分析を用いて元素マッピングを行い、薬剤投与後の腫瘍内および癌細胞内における白金の分布を測定した。CDF-1マウスに癌細胞(B16 and C26)を皮下移殖し、シスプラチンミセルを投与して一定時間後の腫瘍の切片を放射光蛍光X線分析(SR-XRF)により測定した。血管周囲の白金分布画像から、シスプラチンミセルが血管から腫瘍組織内に時間と共に浸透していく様子を確認した。また、コンベンショナルPIXEとマイクロビームスキャニングPIXE(µ-PIXE)(放医研、東北大)を用いて、ヒト癌細胞(PK-1 and HT29)内への白金の取込み量の時間的な変化を測定した。その結果、高分子ミセルから放出されたシスプラチンが主に細胞内に取り込まれており、細胞内に均一に分布している様子が観察された。 これらの情報を元に、シスプラチンミセルの腫瘍内における挙動のモデル化を試みた。腫瘍内の血管から離れたある位置の癌細胞内へのシスプラチンの取込み量を、腫瘍組織内で高分子ミセルが拡散により浸透していくと仮定して、血液中の白金濃度の減衰や拡散係数、高分子ミセルの崩壊定数等の実測値を用いて数値計算により見積もった。その結果、血管から近い(〜50µm)ところでは1回の注射で十分なシスプラチンが癌細胞に取り込まれるのに対し、遠い(150µm〜)場所にある癌細胞への集積は致死量に達しない可能性が示唆された。このような薬剤挙動の解明は、治療効果を見積もるのに大変有用であると考えられる。今後、細胞毒性や動物実験における治療効果の測定と組み合わせることで、放射線との併用方法を最適化していく予定である。}, pages = {s10--s11}, title = {PIXE分析法による重金属含有X線感受型DDS化抗がん剤の細胞内分布解析に関する研究}, volume = {2011}, year = {2012} }