@article{oai:repo.qst.go.jp:00055798, author = {磯野, 真由 and 小西, 輝昭 and 塩見, 尚子 and 及川, 将一 and 石川, 剛弘 and 磯, 浩之 and 樋口, 有一 and 児玉, 久美子 and 酢屋, 徳啓 and 井上, 順雄 and 小西 輝昭 and 塩見 尚子 and 及川 将一 and 石川 剛弘 and 磯 浩之 and 樋口 有一 and 児玉 久美子 and 酢屋 徳啓}, issue = {NIRS-M-247}, journal = {放射線医学総合研究所技術報告書}, month = {Feb}, note = {発達途中の胎生期の放射線被ばくにより、神経機能不全や小頭症、発達遅滞のような神経系障害が引き起こされる。これは、この時期の脳内において、中枢神経系を構成しているニューロンやアストロサイト、オリゴデンドロサイトへと分化する神経幹細胞に対する影響が主因であると考えられている。この神経幹細胞は、自己増殖能と分化能を有する特徴をもち、さらに、胎生期だけでなく成体の脳にも存在することが近年報告されている。そのため、放射線影響リスクの観点からも神経幹細胞の放射線感受性を細胞レベルで評価することが重要であると考えた。 本研究の目的は、神経幹細胞の持つ自己増殖能に注目し、その過程における細胞核照射に対する細胞応答を解析することにある。放射線障害は、主に放射線によって誘発されるDNA損傷に起因すると考えられている。そのため、照射粒子数がポアソン分布に従ってしまう一般的なブロードビーム照射ではなく、細胞核の狙い撃ちが可能であり、そして照射粒子数を正確に決定することが可能なマイクロビーム照射装置SPICEを用いた。また、細胞はマウスES細胞(HK株)をNSS法による分化誘導から調製した神経幹細胞を用いることにより、細胞レベルでの解析を可能にした。 平成22年度SPICEマシンタイムにおいては、神経幹細胞の自己増殖能に注目し、最も基本的な情報といえる、細胞核への照射粒子数に対する生存曲線の取得を行った。一般的にマイクロビーム照射法で用いるヘキストでの細胞核染色は、その細胞毒性から行うことができない。そのため、照射3時間前に細胞核の狙い撃ちをするために細胞(質)全体をCellTracker Orangeで染色した。一試料につき約1.3 mm角に存在する約200個の細胞に対して、マイクロビーム照射を行った。照射粒子数は、50、100、200、500個とした。照射後は、通常の培養条件に戻し、その照射の48時間後に細胞固定を行った。ヘキスト33342とCellTracker Orangeによる染色をし、SPICEオンライン顕微鏡を用いて細胞画像を取得後、照射範囲内すべての細胞数をその蛍光を頼りに計数することで、生存曲線を取得した。 照射粒子数50発および500発の照射で、細胞数は非照射試料に比べ有意な減少が見られた。また、照射された細胞の数は撒いた時の細胞数とほとんどかわらなかった。したがって、プロトン50発の細胞核照射によって、増殖している神経幹細胞は細胞周期の停止あるいはアポトーシスを引き起こすことが示唆された。今後は、自己増殖能に着目し、その過程におけるDNA損傷修復経路および細胞死誘発へのメカニズムについて解析を継続する。さらに、DNA損傷誘発または細胞質照射による酸化ストレスに対する分化誘導過程との関係を明らかにして行く必要がある。}, pages = {s15--s16}, title = {マイクロビーム細胞照射装置(SPICE)を用いた神経幹細胞の放射線障害に関する研究}, volume = {2011}, year = {2012} }