@article{oai:repo.qst.go.jp:00055612, author = {浜田, 信行 and 岩川, 眞由美 and 今井, 高志 and 小林, 泰彦 and 浜田 信行 and 岩川 眞由美 and 今井 高志 and 小林 泰彦}, issue = {8}, journal = {放射線科学}, month = {Aug}, note = {重粒子線は照射された細胞を高効率に殺傷する 電離放射線の生物効果は、線エネルギー付与(LET)、即ち、単位長さあたりに付与されるエネルギーの量(単位はkeV/μm などで表わされる)により異なることが知られている。高LET 放射線である重粒子線(ヘリウム原子より重い加速荷電粒子のこと:重イオンビームとも呼ばれる)は、放射線治療に広く用いられている低LET 放射線(X 線やγ線といった光子など)に比べて、高密度な電離によって、DNA 鎖切断などが局所に密集した修復されにくいDNA 損傷を引き起こすことにより、細胞を高効率に殺傷すると考えられている。さらに、近年の生物研究から、重粒子線は、固形腫瘍内微小環境に遍在する低酸素細胞(腫瘍血管から離れているがん細胞は低酸素状態にある)、がんの約半数に認められるがん抑制遺伝子p53 が変異した細胞やがん遺伝子Bcl-2を高発現する細胞といった光子放射線に抵抗性を示すがん細胞をも高効率に殺傷するとともに、がん細胞の転移や血管新生を抑制することが報告されている。 このような高い生物学的効果に加えて、物理学的な線量分布の集中性にも優れていることから、重粒子線(主に炭素線)は、がん治療に利用されている。放射線医学総合研究所を始めとする現行の重粒子線治療施設における優れた実績を基に、群馬大学を始めとする国内外の他機関でも設備の導入が計画・検討されていることから、今後の更なる発展が期待されている。さらに重粒子線治療の効果を向上させるために、重粒子線の生物学的な作用機序をより詳細に解明することが重要である。}, pages = {31--41}, title = {重粒子線誘発バイスタンダー効果-照射された細胞から照射されていない周囲の細胞への情報伝達-}, volume = {51}, year = {2008} }