@article{oai:repo.qst.go.jp:00055336, author = {渡部, 輝久 and 渡部 輝久}, journal = {科学研究費補助金「緊急時対策としての海域における放射性核種移行モデルの開発」研究成果報告書}, month = {}, note = {海洋中での放射性核種の挙動に及ぼす浮遊懸濁物および海底堆積物の役割に着目し、それらの寄与を移行モデルへ組み込むための基礎的な知見を得るために懸濁物の物理・化学的特性について検討した。放医研那珂湊支所において地先海域より採水している海水を2002年よりおよそ1年にわたりでき得る限り毎日2〜4L分取し、含まれる懸濁物をメンブレンフィルター上に捕集、PIXE法により構成元素分析を行った。一方、放医研近傍に居住する漁業者に依託して採水した沖合海域の海水、また、地先海域に流入する一級河川那珂川支流中丸川の河川水、高知県海洋深層水研究所近傍表層海水および深層水、青森県を囲む三海域(太平洋、むつ湾、日本海)の海水を採取し、同様に浮遊懸濁物を捕集、元素分析を行い構成成分の比較を行った。懸濁物を構成する主要元素は、鉄、カリウム、チタン、カルシウム、ケイ素、マンガン、イオウ、リン、そして、アルミニウム等であり、クロムや、銅、亜鉛などが痕跡量認められた。海域の相違によりこれら主要成分の相対量は異なるものの構成に大きな相違はみられなかった。ただし、青森県むつ湾、日本海で得られた試料は主要元素であるカリウム濃度が極めて低く、太平洋側で得られたものと大きな相違を示していた。茨城県沿岸および沖合海域で得られた海水中懸濁物の元素構成はほぼ等しいが、懸濁物濃度は沖合海水で低く、大河川の茨城県沿岸海域への流入の影響を反映するものと想像された。また、懸濁物濃度は気象および海況の影響を大きく受け、その変化、特に海水からの懸濁物の除去は極めて速やかであった。懸濁物中の元素組成は年間通じてほぼ一定であり、海域における生物生産の変動の影響は見かけ上見られなかった。海洋に放射性物質が放出された場合には、懸濁粒子と親和性が高い核種では粒子の速やかな沈降に伴う海水からの除去、スキャベンジング効果が大きいことが推測され、海底堆積物への移行が促進されることが予想される。}, pages = {19--35}, title = {沿岸海域における放射性核種の分布・挙動に関わる浮遊懸濁物および海底堆積物の役割についての検討}, year = {2004} }