@article{oai:repo.qst.go.jp:00055309, author = {油野, 民雄 and 草間, 経二 and 細野, 眞 and 吉川, 京燦 and その他 and 吉川 京燦}, journal = {厚生労働科学研究費補助金研究報告書(医薬安全総合研究事業)医療放射線の防護の最適化及び被ばく線量の低減化方策に関する研究総括・分担研究報告書}, month = {Mar}, note = {本研究は、患者の合理的線量により最適な診療効果を得るため、医療放射線における医療安全の達成に資することを目的として、国際原子力機関(IAEA)等の国際機関が提示した国際基本安全基準および電離放射線の医療被ばくに関する放射線防護(安全指針)などとの整合性を図りつつ、2003年4月に医療安全対策会議で取り纏めた“医療安全推進総合対策”の報告書(以下「医療安全報告書」という。)の医療安全の考え方を基本原則とした、わが国独自の医療放射線の防護(医療安全)に関するガイドライン作成について検討した。  また、2001年4月1日に施行された医療法施行規則の一部改正、および法令改正に伴い発出された医薬発第188号の厚生労働省医薬局長通知に関して、医療行政および医療機関の双方に生じている疑問等に対して、適切な判断情報を提供するためのガイドラインの作成に資する検討も併せて行った。  本研究の最初の2年間は、国際機関が提示した医療被ばくの放射線防護に関する国際基本安全基準、安全方針、EU指令書(97/43/EURATOM)および諸外国の法令等の検索を行うと同時に、これらの医療放射線の安全にかかる基本要件を既に取り入れているEU加盟国(イギリス、ベルギー、ドイツ)に対して、各国の法令へのEU指令書の取り入れ形態、取り入れ状況および取り入れに伴う医療機関での問題などについて実施調査を行った。これらのEU諸国における法令等の調査は、医療管理システム、すなわち医療被ばくの行為の正当化、防護の最適化、線量拘束値等を含めた医療被ばく防護システム、それらの医療被ばくの医療安全を履行する組織的管理体制が確立されていることを明らかにした。また、別の調査では、フランスでは、EU指令書を取り入れるため、政府機構の改変および法体系の抜本的改正の取り組みが行われていた。一方、わが国における医療放射線における医療安全については、医療放射線の防護に関し体系的取り組が行われていないことが明らかになった。  これらの結果をもとに、最終年度の平成15年度においては、わが国の医療安全報告書、IAEA等の安全指針(Safety Series No.RS-G-1.5)および英国Institute of Physics and Engineering in Medicine(IPEM)ガイダンスノートなどを資料とし、わが国における医療放射線における医療安全および放射線防護の考え方について総合的に検討した。その結果、医療安全報告書の医療安全の考え方を基本とし、かつ国際基本安全基準、安全指針等で提示されている考え方とも整合した、わが国の医療放射線の防護体系について提言し、併せて医療放射線における医療安全に関するガイドラインに資する成果が得られた。結果の概要は次の通りである。 ◎医療放射線における医療安全を実施するための国が行うべき施策  国が放射線防護に関する中期計画を策定すると共に主導権役割を担った指導方針を定めることが必要であり、具体的実施方法として、この行政施策にしたがって一部を法令に取り入れ、かつ第三者機関を活用した監査機能の構築が望まれること。 ◎医療放射線にかかる医療安全の基本要件  医療被ばくに対する医療安全(ICRPでは「防護の最適化」としている。)を確保するために、この最適化を支える前提としての安全管理に関する組織体制および責任体制の確立、品質保証および品質管理の制度化、品質保証および品質管理を担う医学物理専門家の制定的確立、医療従事者等の教育・訓練等が必要である。 ◎医療放射線の分野ごとのガイドラインの提案について  分野ごとに特徴的な医療放射線に係わる医療安全に関するガイドラインについて具体的な草案を作成し提案した。 (1)放射線診断とインターベンショナル・ラジオロジー(以下「IVR」という。)における放射線防護、 (2)核医学における放射線防護、 (3)放射線治療における放射線防護、  医療法施行規則改正に関する対応については、過去2年間の検討で、改正法令の医療放射線の防護基準および通知に示されている趣旨が、医療現場でなく、審査・指導を行う医療行政サイドにおいても理解・認識が不足している多くの事例が明らかにされ、医療現場のみならず行政側における医療放射線の防護に関する資質向上を図る教育・訓練制度の確立の重要性が確認された。これらの結果を踏まえて、最終年度の平成15年度においては、改善の方策として医療行政および医療機関の双方に利用可能な医療放射線の防護に関する情報を網羅したQ/A形式の実用的マニュアルを作成した。また、現在の法規制と医療機関の実態との乖離部分については、今後の改正時において是正するための提案事項を具体的に示した。  また、ガイドライン草案作成に際して、実施したアンケート調査結果の信頼性の検証を行うとともに、放射線防護の詳細な現状分布を目的とした全国の核医学診療施設および診療放射線教育機関を対象とした調査結果では、放射線安全管理および放射線防護を達成するための取組が欠如していることを示唆する種々の問題点が明らかにされ、より一層の放射線安全管理学教育を充実する必要性が指摘された。  以上、平成13年度から平成15年度までの研究において、わが国における医療放射線にかかる医療安全を達成するために規制当局が取り組むべき提言、医療機関で医療安全を達成する基本的考え方を網羅したガイドラインの素安作成した。}, pages = {1--11}, title = {平成15年度厚生労働科学研究費補助金総括研究報告書「医療放射線防護の最適化及び被ばく線量の低減化方策に関する研究」}, year = {2004} }