@inproceedings{oai:repo.qst.go.jp:00054599, author = {福田, 美保 and 山崎, 慎之介 and 青野, 辰雄 and 吉田, 聡 and 長沼, 翔 and 久保, 篤史 and 嶋田, 啓資 and 高澤, 伸江 and 保坂, 拓志 and 佐藤, 憲一郎 and 山口, 征矢 and 伊藤, 友加里 and 石丸, 隆 and 神田, 穣太 and 福田 美保 and 山崎 慎之介 and 青野 辰雄 and 吉田 聡}, book = {Proceedings of the 16th Workshop on Environmental Radioactivity (KEK proceedings)}, month = {Nov}, note = {2011年3月に発生した福島第一原子力発電所 (福島第一原発:FDNPS) 事故から2015年で約4年が経過し、環境中へ放出された放射性物質は、海水を通じて海底堆積物にも移行した。福島第一原発から半径20 km圏内における堆積物中の137 Cs濃度は、事故直後の2011年4月に数1000 Bq kg-1-dryであったが、2015年1月現在に事故前 (2000年代;~ 2.0 Bq kg-1-dry) の10倍程度の濃度まで減少している。しかし、海水に比べてその濃度の変動幅が大きい [1]。東京電力や原子力規制庁などの海洋モニタリングでは、エッグマンバージ採泥器を用いて堆積物を採取し、表層部 (深さ0-3 cm) の放射性セシウム (Cs) 濃度の測定を行っている。宮城、福島および茨城県沖の水深 100 m以浅における堆積物 (0-10 cm) 中の放射性セシウム存在量に対する表層部の割合は40 %以下であることが報告されている [3]。また、河川堆積物中の粒子別の放射性Cs濃度は、粒径の小さい粒子の方が高い傾向にある。従って、様々な粒径から構成される沿岸堆積物中の放射性Csの濃度や存在量の水平および鉛直分布の比較を行うためには、粒径の違いを考慮に入れる必要がある。そこで本研究では、福島沿岸域の堆積物中の粒径別の放射性Cs濃度や存在量から、放射性Csの濃度分布の要因とその挙動を明らかにすることを目的とし、その結果以下のことが分かった。 (1) 堆積物中の粒子は、測点M02とNP1、NP3で微粒砂から粗粒砂、測点M01で極粗粒砂と微粒砂から粗粒砂、の割合が高かった。堆積物の各粒度の鉛直分布は、1)深さ 0-1 cm から4-5 cmにかけて細粒化し、それよりも深い層で粗粒化 (測点M01とI01)、2)深さ 0-1 cm から4-5 cmにかけて粗粒化し、それよりも深い層で細粒化 (測点M02とNP3、I02)でみられていた。3)深くなるにつれて細粒化 (測点NP1) のパターンに分類できた。 (2) 堆積物の各粒子の137Cs濃度は、有機物含有量が高く、粒径の小さい粒子で高い傾向にあった。微粒砂から粗粒砂とシルトと粘土の137Cs 濃度の鉛直方向の変動幅は、礫と極粗粒砂よりも大きい傾向にあった。 (3) 堆積物表層での137Cs存在量は、水深60 mでシルトから粘土の137Cs存在量が最も多く、水深120 mでシルトから粘土よりも微粒砂から粗粒砂の方が多かった。福島第一原発からの距離に対する137Cs存在量は、微粒砂から粗粒砂とシルトから粘土共に、約20 kmの測点で最も多かった。堆積物 (深さ0-7 cm) 中137Cs存在量は、水深60 mの堆積物ではシルトから粘土で最も多く、水深120 mでは微粒砂から粗粒砂とシルトと粘土で同程度の値であった。微粒砂から粗粒砂とシルトから粘土の137Cs存在量は、福島第一原発からの距離が離れるにつれて増加していた。これらの結果から、微粒砂から粗粒砂に吸着した137Csは、海底斜面で底層流の影響を受けやすいために再堆積の寄与が他の粒子よりも大きい一方で、シルトから粘土は、間隙水や生物擾乱などの作用を通じてより深部へと浸透していることが考えられる。}, pages = {195--200}, publisher = {High Energy accelerator Research Organization (KEK)}, title = {2014年5月の福島沿岸域における堆積物中の 放射性セシウム濃度の粒径別分布}, volume = {4}, year = {2015} }