{"created":"2023-05-15T14:39:41.664066+00:00","id":54514,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"4b202f0b-9ae6-4666-a201-6f38c5806f95"},"_deposit":{"created_by":1,"id":"54514","owners":[1],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"54514"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:repo.qst.go.jp:00054514","sets":["2"]},"author_link":["556770","556769","556771","556772","556773"],"item_10003_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2014-11","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographicPageEnd":"175","bibliographicPageStart":"174","bibliographicVolumeNumber":"34","bibliographic_titles":[{"bibliographic_title":"医療情報学 34(Suppl.),2014"}]}]},"item_10003_description_5":{"attribute_name":"抄録","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"1. はじめに\n 昨今の技術的な側面における関心事は、情報システムを管理する設備内に導入、設置し使用者(医療機関)自体が運用するオンプレミス型から、クラウドコンピューティングなど、外部のリソースをオンデマンドで活用する新たな運用形態へと変革してきていることである。しかし、これを利用した画像情報の外部保存、外部へのバックアップ、地域連携での共有について考え方やシステム的な実装に関して法的な解釈も含め混\n同が生じている。そこで、本ワークショップでは<Vendor Neutral Archive>などを含めたデータ保存のあり方などの技術的な解説と考え方や利用性について討議を行う。\n2. 背景\n 情報を外部に保存するという意識が増大した背景には、大震災以降、医療機関がBCP対策や節電といった取り組みに積極的になっていること、および社会的な投資の減退などが要因として考えられる。また、スマートフォンの利用など情報流通社会の環境の変化も一因としてあげることができる。\n さらに、画像情報の容量が大きいことから、システムの更新時には多くの時間と費用が発生している現状があり、これを打開するソリューションが切望されている。\n3. JSRTが提供しているガイドラインの解説\n 今年度、日本放射線技術学会が発行している「画像情報の確定に関するガイドライン(以下、本ガイドライン」に、本ワークショップのテーマである“画像情報の外部保存”、“外部へのバックアップ”、“地域連携での共有”について考え方やシステム的な実装に関する解説が追加された。\n なお、診療記録に対する個人情報保護に関する安全性確保は、いずれの場合においても共通に要請される事項であり、本稿では特段に言及しない。情報保管を委託する外部機関に対する適切な監督責任が果たされているものとする。\n さらに、“クラウドコンピューティング”は タイトルに掲げた3つの事項を実現するための手法の一つであり、目的でもなく“クラウドの利用自体で直ちに厚労省の安全管理ガイドラインや本ガイドラインに適合する”ものでもない。一般に“クラウドコンピューティング”はネットワークを介してデータを預かるサービスを指すことが多いが、その定義は提供事業者によって変化がある。採用にあたっては、名称に惑わされることなくサービス内容を把握することが求められる。本ガイドラインでは引用されることの多いNIST (National Institute of Standards and Technology)に定義されているものを参考として本ガイドラインの付録に添付した。\n3.1 外部保存\n 外部保存と外部バックアップは、外部の専門事業者に記録の保管を委託する意味で、実現上の手段においては大差は無いが、位置付け、法的要性事項には差があるので、項を分けて解説している。本ガイドラインでは、医療機関において法的保存義務\nのある記録に対しての電子保存の三原則(e文書法厚生省令、安全管理ガイドラインにある“真正性” 、“見読性”、“保存性”を指す)を満たした状態で、情報を施設外に保管し運用することを指す。よって、見読性などが外部保存を行うことで損なわれる場合は、情報の一部もしくは全部を施設の内部に電子保存の3原則の要件を満たした状態で保存することが必要となる。\n なお、ネットワークを通じて外部に保存する場合の見読性の確保については、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第4.2 版」に緊急に必要になることが予測される診療録等は、内部に保存するか、外部に保存しても複製又は同等の内容を医療機関等の内部に保持すること。緊急に必要になるとまではいえない情報についても、ネットワークや外部保存を受託する機関の障害等に対応できるような措置を行っておくことと記載されている。\n3.2 外部へのバックアップ\n “バックアップ“と呼ばれている機能には、分けて考えるべきものが含まれている。\nデータの外部へのバックアップには、主として以下の2つがある。\n① 診療録の消失に備える、いわゆる「診療録バックアップ」\n② 災害時における診療の継続を目的とした、いわゆる「災害時バックアップ」 \n これらは目的が異なるため、データ量、データの構造、バックアップをとるタイミングなどが異なるのは当然であるとともに、要求される法的要件も異なる。\n 診療録バックアップでは、医療機関の自らの情報保管責任を果たすために行うものである。バックアップデータそのものには、真正性、見読性、保存性などが要求されるわけではないが、保管する診療録の消失・破損があった場合のリストア(バックアップから本来の記録に戻すことを指す)の際に診療録と同等の要件が求められることは当然である。なお、リストアする場合には、それがリストアである事実を証跡として残すことが重要である。サービス提供事業者と契約する場合にあっては、契約条件に含めるなどの配慮が必要である。\n 一方で災害時バックアップには、このような法的要請はない。リストアを期待されるものでも無い。災害時に平時の医療提供サービスが損なわれる状態において、患者への診療を継続するために必要と判断した情報の施設外部への保管であり、そもそも収載されるデータ項目についても、目的に照らして施設、地域ごとに検討し定めるべきものである。 また、情報閲覧手段においても、限られた特別な手法では無く汎用的手段であることが望ましい。\n3.3 地域での情報共有\n 本ガイドラインでいうデータは、外部保存/バックアップを目的に蓄積されたデータである。したがって、地域連携や医学研究への活用など情報を二次的に利用する場合には、本来は相当程度煩雑な手続きが必要である。\n 複数医療機関での情報共有は患者の同意を伴う行為であり、外部保存/バックアップは医療機関の自らの責任を果たすために行うものであり、データがそこにあるからといって直ちにこれが共有等に利用できると考るのは誤りである。 地域連携に用いるとすれば、たとえば、患者の同意取得、参加する医療機関間でのポリシーに関する合意、共有情報の定義やアクセス権限管理、各医療機関の責任範囲、相互運用性の確保などについての取決めを定めなければならない(厚生労働省発行の「安全管理に関するガイドライン 付録」の記載を参考にすると良い)。 \n 最後に、画像情報に関していうならば、地域連携に際して画像情報を提供している側の「確定」と、共有された画像情報にもとづき診断した側の「診断に対する証拠保全」では概念が異なる。\n4. Vendor Neutral Archive\n 近年PACS が持つべきコンセプトとして、VendorNeutral Archive (以下、VNA)という考え方が広まりつつある。VNAの定義は明確に定まっているわけではないが、これを提唱する方々の考えは大きく異なることはなく、おおよそ次のような機能が必要であるとされている。\n ①相互運用性 ②ベンダ中立性 ③デバイス不依存性 ④スケーラビリティ ⑤高可用性 ⑥ディザスタリカバリからの復旧 ⑦データ保管期間設定 ⑧タグモーフィング ⑨電子保存三原則(真正性・見読性・保存性)⑩非DICOMデータ保存 ⑪セキュリティ(監査証跡等)\n これに加え、以下の機能も必須とは言えないまでも、強く求められている。\n ⑫IHE の統合プロファイル( 特にXDS/XDSI/SWF/PIR(PAM)/EUA等)の実装 ⑬ゼロフットプリントビューア ⑭アクセスコントロールこれらの機能を見ると、それぞれの機能は驚くほど目新しいようなものは特に見当たらず、ユーザの要求仕様書にもよく書かれることが多い機能ばかりである。\n しかしながらVNAというコンセプトが提唱されるに至った理由は、実際の現場においては、全てのPACSがこのような機能を「全て」有していることはなく、特に以下のケースで問題になることが多かったものと考えられる。①データ移行:大量の画像情報がすでに保存された状態で、既存のPACSを他のベンダ製PACSに移行する場合、ベンダ独自仕様のデータの変換調整等により多くの時間と費用が発生すること ②リプレー\nスにおける再接続:モダリティや部門ワークステーションを新PACSに接続するために、調整に時間がかかったり、今まで利用していた機能がなくなったりしまうこと\n③拡張:データ保存容量が逼迫し、保存領域を拡張する場合に、システムの拡張性が乏しく予想外の費用や手間がかかること ③データ一元管理:院内のマルチベンダ環境において、TCO 削減のため、DICOM ・非DICOMを問わずデータの一元管理ができるだけ求められることなどがある。これらはデータ(画像情報)自体とこれを管理するデータベース、および関連する各種アプリケーションが非常に密接に関与している。また、そもそもデータフォーマットや通信形式が異なるなど情報のシステム間の交換には、DICOMやHL7等の標準化がなされてはいるものの実際には様々な問題がある。これを回避する方法として、画像情報自体がどのPACSベンダに依存しない状態で保存され、異なるPACSとの間で情報がシームレスに送受信可能なように、情報(コンテキスト)のマネジメントを行うことが求められる。\n VNA で求められる機能を全て実装したPACS は、ユーザにとって理想的ではあるが、現実的には世の中に、今現在完全にVendor NeutralなPACSは存在していないと思われる。ベンダはPACSを製造するにあたって、標準化された形式を実装しなければならない法的義務などはないし、またあらゆる医用データや通信が標準化されているわけではない。ユーザはVNAのコンセプトを元に、自身の必要な機能を要求仕様書等に記載し、今後のリプレースや拡張に備えることが必要であり、システムベンダはVNAをできる限り全て実装することが求められる。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_access_right":{"attribute_name":"アクセス権","attribute_value_mlt":[{"subitem_access_right":"metadata only access","subitem_access_right_uri":"http://purl.org/coar/access_right/c_14cb"}]},"item_creator":{"attribute_name":"著者","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"奥田, 保男"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"556769","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]},{"creatorNames":[{"creatorName":"山本, 剛"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"556770","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]},{"creatorNames":[{"creatorName":"野津, 勤"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"556771","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]},{"creatorNames":[{"creatorName":"大竹, 雄一郎"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"556772","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]},{"creatorNames":[{"creatorName":"奥田 保男","creatorNameLang":"en"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"556773","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]}]},"item_language":{"attribute_name":"言語","attribute_value_mlt":[{"subitem_language":"jpn"}]},"item_resource_type":{"attribute_name":"資源タイプ","attribute_value_mlt":[{"resourcetype":"conference paper","resourceuri":"http://purl.org/coar/resource_type/c_5794"}]},"item_title":"画像情報の外部保存、バックアップ、情報共有","item_titles":{"attribute_name":"タイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_title":"画像情報の外部保存、バックアップ、情報共有"}]},"item_type_id":"10003","owner":"1","path":["2"],"pubdate":{"attribute_name":"公開日","attribute_value":"2014-11-17"},"publish_date":"2014-11-17","publish_status":"0","recid":"54514","relation_version_is_last":true,"title":["画像情報の外部保存、バックアップ、情報共有"],"weko_creator_id":"1","weko_shared_id":-1},"updated":"2023-05-15T23:00:00.129060+00:00"}