@inproceedings{oai:repo.qst.go.jp:00054513, author = {奥田, 保男 and 木村, 通男 and 坂本, 博 and 鏑木, 善誉 and 奥田 保男}, book = {医療情報学 34(Suppl.),2014}, month = {Nov}, note = {1. はじめに  JJ1017は、放射線領域の「予約情報」および「検査実施情報」について、DICOMや HL7に代表される国際的な標準規格を利用し、適切に連携することを視野に策定され、2012年3月23日には、厚生労働省の保健医療情報分野の標準規格として認定(政社発0323第1号)された。その後改訂が進み現在は3.3版が公開されている。しかし、これの利用が医療機関で進んでいるとは言い難い。そこで、何故普及しないのかの原因究明とJJ1017 コードの作成方法などの解説を含め、JJ1017の利用の拡大を目的に本ワークショップを開催する。 2. ユーザの抱える現状  JJ1017コードのメンテナンスは、利便性、および網羅性の向上と医師の指示を忠実に伝達することであり、公開当初から変わらない。しかし、この13年に及ぶ実績にもかかわらず、医療機関への普及の割合は非常に低い。その理由は大きく3つに分類されると考える。1.ベンダの壁、2.ユーザの認識、3.コード管理である。近年、システム導入およびリプレイスに伴い、HIS、RISの要求仕様案にJJ1017を明記する施設が増えている。しかし、最終的には導入を断念せざるを得ないケースが多いといわれている。この事象は、1.ベンダの壁による影響が強いと考えられる。現在、パッケージ製品として販売されているHIS、RISにおいてJJ1017コードをデフォルトマスタとするシステムが皆無である事実を鑑みれば壁の高さは明白であろう。そこには従来の紙伝票の概念、体系化されていない撮影区分、手技のみの検査、医事システム側の制限等との整合を問題視され、マスタ作成の労力と時間的制限、費用追加を要求されるためユーザは導入を断念する結果となる。次に2 .ユーザの認識だが、ユーザが標準化への対応を試みる場合に、IHE=JJ1017 、HL7=JJ1017 と捉えることが多く、システム構築に際し自らハードルをあげてしまうケースがある。逆に1にも関連するが、ベンダの独自のマスタで現状稼働し、費用の上乗せもなければ、JJ1017コードの導入に必要性を見出せないケースもある。次に3.コード管理に関しては、撮影、検査、治療技術の進化と、診療報酬が2年に1回見直されることを考慮すれば、継続的なコード管理をリアルタイムで行う必要がある。現在、日本放射線技術学会が中心にメンテナンスを行っているが、リアルタイム性を成すには、工業会をはじめ関連団体のさらなる協力を期待する。また、1から3 を通し“How to”の不足が普及を妨げる大きな要因ではないかと考えている。もちろんJJ1017では施設で使える拡張を用意し自施設のマスタとの突合せ、頻用コードにない検査への対応を可能としている。各団体で講演等も行われているが、ユーザから求めているのは、超実践的“How to”ではないだろうか。最後に近年、地域連携によるオンラインでの画像共有が検討されている。JJ1017が共通情報として機能できれば、普及に繋がるものと期待している。 3. ベンダから見たJJ1017の利用と課題  企業における標準化活動に対する姿勢には温度差があると思われる。ここでいう標準化活動には、実証事業など国の政策を含めた活動、日本IHE協会が主催するコネクタソンへの参加および標準仕様への追従、本ワークショップのテーマであるJJ1017への対応などがある。  JJ1017の導入を進めるにあたり、企業側の製品仕様あるいは社内教育が行き届いていないがために十分な対応ができない場合もあるが、ユーザ側がJJ1017を十分に理解していない場合もあると推測する。前者への対応としては、社内教育を行うことはもちろんのこと、実際に導入を検討している施設に十分なスキルをもったエンジニアが出向き、ユーザの要望をもとに詳細な仕様検討を行う努力をしている。しかしながら、システム構築作業の難易度が上がることを懸念し、IHEやJJ1017への対応を積極的に行わない企業が少なからずある。  後者の対応としては、JJ1017によるコードの作成方法を現地にてユーザに教育する必要がある。しかし、JJ1017コードの規約にある曖昧な部分が少なからず存在していることや、企業側の担当者が実際の業務内容を十分に理解できていないことなどが理由で、満足度の高い対応ができる保証がないのが実情である。できれば学会などが主導となり、利用に際して発生する個別の問い合わせへの対応窓口を設ける、ワークショップなどの開催による普及へ向けての教育の提供する、豊富なサンプルコードに加え、具体的な利用シーンなど補足説明も併せて提示することなどが求められると考える。しかし、実際のシステム構築における、JJ1017作成の混乱は、コードを作成すること自体の問題に留まらず、システム間の連携仕様やそれに伴う運用の変化などを伴う場合もあり影響は複雑といえる。  以下に実際によく経験する問題点を列記するが、多くは既存コードからJJ1017コードに変換する場合に、該当コードを作成する場合の疑問、あるいは問題が多いと思われる。 ・モダリティ項目(1桁目)の決定について ・拡張の利用( コード種類の拡張および施設拡張)の是非と考え方 ・一般撮影における詳細体位の利用とモダリティ連携の実際 ・1検査で複数手技を行う場合の対応 ・医師から技師へのコメントを送信する場合の運用と課題 ・頻用コード表の利用方法 4. JJ1017コードの作成方法例  JJ1017コードを作成する場合の手順としては、①頻用コードから該当するコードを選択する。頻用コードに該当する検査が無い場合、②基本分類コードの組み合わせからコードを策定する。基本分類コードの組み合わせでは、該当する検査を表現できない場合、③基本分類コード、あるいは手技(拡張)、拡張(汎用)の領域を利用する。それぞれの手順について概説する。 4.1 頻用コードの利用  医療機関でおよそ利用されることが想定されるコードの組み合わせ例として、頻用コードが用意されている。この頻用コードから実際に利用するコードを選定する方法は、およそ次の作業手順となるが、①の作業を行う際に、JJ1017のコードの順に準じた名称(手技、部位、体位、方向)をつけることで、それ以降の作業を軽減することができる。 ①医療機関で利用している検査を洗い出し検査の日本語名称の一覧を作成する(例:胸部単純撮影 立位 正面 P→A)。 ②洗い出した検査を検査種別(CT、MRIなど)ごとに分類する。 ③②で分類別けしたものを、さらに頭部、胸部、腹部、骨盤、脊椎、上肢、下肢といった部位、あるいは手技コードの順に並べ直す。 ④③の作業を行った一覧をもとに頻用コードの日本語名称から該当する検査を検索し、該当するコードを選択する。 4.2 基本分類コードの組み合わせからコードを策定する  該当する検査が頻用コードに収載されていない場合、基本分類コードを組み合わせてコードを作成することになる。基本的には基本分類コードの各領域から必要なコードを選択し、これを連結することで該当する検査を表記するコードを作成する。 4.3 拡張領域の利用  4.1、4.2のどちらの方法を用いても検査を表現できない場合には、それぞれの領域の拡張、および手技(拡張)、拡張(汎用)を利用する。以下に利用する各部ごとの拡張方法を示す。 4.3.1 種別(モダリティ)領域を利用した拡張  種別(モダリティ)領域の拡張は、英大文字1字で<P>から<Y>までを使用する。たとえば、頻用コードとして提示されているコードの中には、「X線透視+造影検査ファイバー」のように、異なるモダリティが種別(モダリティ) コード<X線透視・造影検査>と手技コードである<ファイバー>が連結されているものがあるが、施設によっては<ファイバー>を別のモダリティとして定義したい場合などが該当する。 4.3.2 手技の大分類、小分類領域を利用した拡張  新しい検査手法や独自な手法による検査など該当するコードが収載されていない場合、コードを拡張する必要がある。なお、大分類、小分類の拡張に利用可能なのは、<A0>から<HY>までの数字と<O>を除く英大文字である。 4.3.3 手技(拡張)領域を利用した拡張  この領域で拡張する場合、利用可能なのは<A0>から<HY>までの数字と<O>を除く英大文字である。例としては、患者の年齢によって撮影プロトコールなどが異なる場合、手技拡張領域にコード<B1: 新生児>、<N2:乳児>、<N3:幼児>などを使用する。 4.3.4 拡張(汎用)領域を利用した拡張  この領域で拡張する場合、利用可能なのは、数字および<I>と<O>を除く英大文字を使用した2桁である。例としては、診療科ごとにオーダの詳細内容に違いがある場合など、[手技コード部]と[部位コード部]と[姿勢・撮影コード部]との組み合わせでは定義できない検査などを表現するために利用する。}, pages = {40--41}, title = {標準コードJJ1017の作成と利用}, volume = {34}, year = {2014} }