@article{oai:repo.qst.go.jp:00046986, author = {添田, 晴日 and 府馬, 正一 and 添田 晴日 and 府馬 正一}, journal = {両生類誌}, month = {Oct}, note = {トウホクサンショウウオ Hynobius lichenatus は両生綱有尾目サンショウウオ科サンショウウオ属の,日本固有種の小型サンショウウオである.本種は近年開発や環境変動の影響を受けて個体数が減少しつつあり,環境省のレッドリストにも準絶滅危惧種として選定されるなど,早急な保護が必要とされている.今回,東京電力福島第一原子力発電所事故由来の放射線による野外個体への影響の確認,及び放射線照射実験に供す目的で,トウホクサンショウウオ約200個体を飼育していたところ,飼育個体の内10個体に,皮膚が角質化する病変が発生した.この病変は初期段階においては,皮膚が乾燥する症状として表れ,病状が進行した個体では皮膚が硬く分厚くなり,粘液の量も減少して体表が全体にかさついた状態となった.この治療の為,発病個体の内7個体について,体表の角質化した皮膚を,濡らしたラテックス手袋を着用した手で剥がしたところ,症状が寛解した.7個体のうち,最も症状の重かった1個体のみについては剥皮後,再度の皮膚角質化が見られたが,それ以外の個体については2週間程度で症状はほぼ治まり,その後も再度の角質化は見られなかった.角質化した皮膚を剥ぎ取っても個体にダメージがなく,その下から健康な皮膚が再生したことから,この病変は新陳代謝が正常に行われず,角質化した皮膚が正常な皮膚の上に堆積した,脱皮不全の状態であると考えられる.両生類では多くの種において,皮膚が生命活動に重要な,皮膚呼吸,水分補給等の役割を果たしており,脱皮不全による健康への影響は大きいと予想できる.今回の試行により,両生類における脱皮不全の治療として,剥皮が有効である可能性が示唆された.}, pages = {6--8}, title = {短報・飼育環境下のトウホクサンショウウオにおいて観察された皮膚病変とその治療}, volume = {26}, year = {2014} }