@article{oai:repo.qst.go.jp:00045536, author = {田尻, 稔 and 柴山, 晃一 and 渡邊, 和洋 and その他 and 田尻 稔 and 柴山 晃一 and 渡邊 和洋}, issue = {1}, journal = {医用標準線量}, month = {Apr}, note = {重粒子線治療において、患者さんへの投与線量は、拡大Braggピーク(以下、SOBPという)中心の深さにおける線量で決定される。そのため、モニタユニット値を決定するためには、1MUあたりのSOBP中心の深さの線量を、あらかじめ深部線量分布から求める必要がある。放射線医学総合研究所では、現在、多層電離箱という電離箱を層状に積み重ねたものを用いて、重粒子線の深部線量分布を測定している。この多層電離箱では、一回の照射によって、複数の深さの線量測定を同時に行うことができ、測定の効率化を図ることができる。しかし、多層電離箱で測定した深部線量分布を臨床で使用するためには、水中で測定した深部線量分布によって比較校正する必要がある。 実際の校正に使用される水ファントムは、最大照射野である20cmφを十分にカバーできる大きさを持つ一方、多層電離箱は最大照射野を十分カバーできる大きさを持っていない。そのため、多層電離箱による測定では、多層電離箱の周囲で発生する多重散乱による線量の寄与が不足すると考えられ、照射野サイズが変化した場合、各深さの校正定数も変化することが懸念される。従って、今回、実際の重粒子線治療に用いる幾つかの照射条件に対して、照射野サイズを変化させ、多層電離箱の線量と水ファントムの線量を比較検討した。 その結果、校正定数が照射条件によって変化すること、及び、照射野サイズによって水ファントムと多層電離箱の線量の比が変化することがわかった。前者は、照射パラメータが校正時と異なることによって、線質が変化したことに起因する。後者は多層電離箱が最大照射野をカバーできていないため、水ファントム中で測定される多重散乱やフラグメントによる線量が、多層電離箱では不足することに起因する。 今回の実験において、それぞれの変化はわずかであるが、両者をあわせると約2.5%の変化を生じる場合もある。更に、測定深が深くなるほど、この変化がより大きくなる可能性もある。今後、多重散乱やフラグメントなどの相互作用において水と等価な物質によって、最大照射野を十分にカバーする多層電離箱の開発が期待される。}, pages = {25--30}, title = {重粒子線治療における照射条件に伴う多層電離箱の校正定数の変化}, volume = {14}, year = {2009} }