WEKO3
アイテム
酸素の検出と画像化と機能評価
https://repo.qst.go.jp/records/2002300
https://repo.qst.go.jp/records/2002300173e30dc-e9fa-4f68-b3bf-c90a2cfbae58
| アイテムタイプ | 会議発表用資料 / Presentation(1) | |||||||
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| 公開日 | 2025-08-13 | |||||||
| タイトル | ||||||||
| タイトル | 酸素の検出と画像化と機能評価 | |||||||
| 言語 | ja | |||||||
| 言語 | ||||||||
| 言語 | jpn | |||||||
| 資源タイプ | ||||||||
| 資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_c94f | |||||||
| 資源タイプ | conference presentation | |||||||
| 著者 |
松本 謙一郎
× 松本 謙一郎
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| 抄録 | ||||||||
| 内容記述 | 本講義では、生体組織中の酸素濃度あるいは酸素濃度変化を反映する情報の非侵襲的な検出法とその画像化技術について紹介する。腫瘍組織内の不完全な血管形成により生じる低酸素環境の存在は、放射線治療への抵抗性の要因であるとともに腫瘍の悪性化に関係する因子として古くから問題視されてきた。腫瘍組織内の低酸素環境を検出し画像化することは、放射線がん治療の効率化と安全性の向上のための重要な課題である。酸素分子は安定な不対電子を二つ持つ常磁性種(フリーラジカル種)で、酸素分子の常磁性に基づいて、いくつかの検出法と画像化法が開発されている。酸素は安定フリーラジカル種ではあるが、電子スピンの緩和時間が極めて短いため常温では電子常磁性共鳴(EPR)を直接測定することができない。そこで常温でもEPRで観測可能な安定フリーラジカルを酸素プローブして用いる。プローブ分子への酸素分子の衝突によりプローブ分子上の電子スピンの緩和時間が短縮する。緩和時間が短くなると、プローブ分子のEPR線幅が広副化する。つまり酸素濃度が高くなるとEPR線幅が広くなる。周波数領域においては、緩和が速くなることによりパルス後の信号の消失が速くなる。EPR線幅あるいはFID消失速度に基づいて酸素濃度を定量的に測定することができる。スペクトル-空間イメージングと組み合わせて、酸素濃度のマッピングが行える。MRIでは酸素を定量することは困難であるが、酸素濃度の変化を検出することができる。Blood Oxygen Level Dependent (BOLD) MRI信号は、常磁性のデオキシヘモグロビンと非常磁性のオキシヘモグロビンの存在比率の変化によって、周囲のミクロ磁場環境に生じる変化を検出する。常磁性物質はミクロ環境の磁場に僅かな歪みを生じプロトンのT2*を短縮するのでFIDが短くなる(実空間での線幅が広がる)。プロトンの量は変わらないので信号の面積は一定だが、線幅が広がっており信号の高さは低下する。そのためデオキシヘモグロビンは、T2強調画像の信号強度を低下させる。しかし血中の酸素濃度が上昇して非常磁性のオキシヘモグロビンが増えると磁場の歪みが減りT2*強調画像の信号強度は上昇する。これをBOLD信号という。BOLD信号に基づく脳機能の解析が行われている。一方、Tissue Oxygen Level Dependent (TOLD) MRI信号は、常磁性の酸素分子自体の常磁性によるT1短縮効果を検出する。組織の酸素濃度が上昇すると酸素分子の常磁性により水のT1が短縮し、その結果、T1強調画像の信号が増幅する。これをTOLD信号と呼んでいる。Positron Emission Tomography (PET)でも、腫瘍の低酸素環境の検出が試みられている。従来のPETでは低酸素状態の組織に集積性を示す分子をポジトロン放出核種で標識して、これを低酸素プローブとして低酸素領域の描出を行う。一方、ポジトロニウム寿命の測定に基づく新たなPETのコンセプト(Q-PET)が提唱され、酸素濃度の定量とイメージングの可能性が示されている。ポジトロン放出核種から放出された陽子の30~40%は、電子を配向してポジトロニウムを形成する。ポジトロニウムは、原子核は無いが陽電子と電子の軌道のみが存在するエキゾチック原子と呼ばれる状態で、その寿命は周辺の電子密度や不対電子との相互作用で短縮する。常磁性の酸素分子は、ポジトロニウムの寿命を短縮する。現状では、BOLDおよびTOLD MRI以外はヒトへの応用まで至っていないが、いずれの技術もそれぞれの個性を活かして、放射線治療のみならず病態生理や創薬研究において有用な情報を与えるものに展開されることを期待する。 | |||||||
| 会議概要(会議名, 開催地, 会期, 主催者等) | ||||||||
| 内容記述 | フリーラジカルスクール2025 | |||||||
| 発表年月日 | ||||||||
| 日付 | 2025-08-08 | |||||||