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内容記述 |
難治性のすい臓がんは診断が困難ながんの一種であり、患部にこれらのPETイメージング剤を集積させるためには、粒子の粒径や表面電荷を制御する必要がある。また、患者への安全性を担保するためには、生体適合性や生分解性の高い素材を選択する必要がある。本研究では、極小粒径および負の表面電位を有するゼラチンナノ粒子を作製することで、新規すい臓がんPET診断用薬剤の開発を目的とした。分子量の異なるゼラチンを用いて、それらの水溶液にγ線を照射することにより、平均粒径が5-20 nm以下の負の表面電位を有するナノ粒子を作製した。ゼラチンナノ粒子は形状安定性を保持している一方で、酵素による生分解性も保持していた。さらに、ゼラチンナノ粒子に蛍光物質を標識し、すい臓がん細胞であるPANC1細胞と共培養したところ、24時間ですべてのがん細胞に集積することが分かった。このナノ粒子に金属配位子である 1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトラ酢酸をキレート剤として導入した後、放射性Cu-64で標識した。担がんマウスを用いたin vivo試験を実施した結果、Cu-64標識ナノ粒子の腫瘍への集積が認められた。その集積率は他の臓器や血液と比較して高く、投与後3時間経過しても減少することが無かった。粒径の違いにより腫瘍への集積率には有意な差は認められなかったが、特に5 nmでは腎臓から尿中への排泄が顕著なことから、腎クリアランスが高い薬剤としてPETイメージングへの応用も期待できる。 |