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129Iを用いた房総半島及びその他で採取した鹹水中ヨウ素の年代測定
https://repo.qst.go.jp/records/67569
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Item type | 会議発表用資料 / Presentation(1) | |||||
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公開日 | 2003-10-31 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 129Iを用いた房総半島及びその他で採取した鹹水中ヨウ素の年代測定 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_c94f | |||||
資源タイプ | conference object | |||||
アクセス権 | ||||||
アクセス権 | metadata only access | |||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_14cb | |||||
著者 |
村松, 康行
× 村松, 康行× 吉田, 聡× Fehn, Udo× 松本, 良× 戸丸, 仁× 村松 康行× 吉田 聡 |
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抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | ヨウ素は人や動物にとって必須元素であり甲状腺の機能に重要な役割を果たしている。一方、原子力の利用に伴い、放射性ヨウ素である129I(半減期:1570万年)が放出されている。この核種は半減期が長いため、ヨウ素の地球環境における長期的な動きを調べることが重要な課題となっている。国連科学委員会報告書(UNSCEAR-2000)でも129Iのグローバルな環境評価に関する章が設けられ、重要な核種と位置付けられている。しかし、長期的なヨウ素の環境移行モデルの基礎となる安定ヨウ素の地球化学的挙動についての知見が非常に不足しており不明な点が多い。 自然界での129Iは、Xeと宇宙線との反応やUの自発核分裂などにより生成されている。この核種は海水中に移行し、そこで安定ヨウ素(127I)と混ざる。そして、129I/127I比は平衡に達しており、核実験が行われる1945年以前の海水中の比は1.5 x10-12と推定されている。そこで、C-14年代測定法と同様の手法で、外界から隔離されてから(海水から堆積してから)の年代を推定できる。しかし、ごく微量の129Iの分析には加速器質量分析法(AMS)を用いなければならず、分析は簡単ではない。ここでは、極微量の129Iの分析で定評のあるPurdue大のAMSを用いて測定を行った。(最近、東大タンデム加速器を用いた共同研究で129Iの測定もできつつある。) \n試料及び分析法 鹹水の試料は、千葉県、東京都、埼玉県、宮崎県、群馬県、福島県、新潟県、秋田県などから採取した。また、南海トラフのメタンハイドレートが存在すると推定される層の間隙水も分析対象とした。 安定ヨウ素の分析はICP-MS法によった。また、化学組成を明らかにするため、その他の元素の分析も行った。129I/127I比の測定は、試料からヨウ素を純粋に化学分離し、最終的にはヨウ化銀の沈殿を作り、それをAMS法により測定した。 \n結果及び考察 千葉県で採取した鹹水(10試料)中のヨウ素濃度と129I/127I比については既に報告したが、その結果を簡単にまとめると以下の通りである。 安定ヨウ素濃度の平均: 110ppm 範囲: 63 - 140ppm 129I/127I比の平均: 173±10 (x10-15) 範囲:153 ミ 188 (x10-15) 海水と千葉県で採取した鹹水の化学組成を比べると、塩素やナトリウムなどの主要元素は両者とも殆ど同じであったが、ヨウ素濃度は鹹水の方が2000倍程度高かった。場所的には茂原市周辺が高く、成田市や光町では約半分位の濃度であった。また、129I/127I比を見ると、分析した10試料の値はほぼ同じであり、同様の起源を持っていると推定される。129I/127I比の平均値から計算するとヨウ素が海水から分離した年代は、4900万年前となる。ヨウ素が産出する地層の年代は、100-200万年前であり、ヨウ素の年代は地層の年代よりもはるかに古い。このことは、ヨウ素と堆積物の起源が異なることを意味する。長い時間をかけ海底に堆積したヨウ素が、プレートの沈み込みに伴い前弧域で濃縮し、その一部が地層に入りヨウ素を多く含んだ鹹水の成因に繋がっていると推定する。 東京や埼玉などで採取した試料中のヨウ素濃度は千葉県で採取したものに比べはるかに低い値であった(範囲:6-16ppm)。しかし、129I/127I比は180-250 (x10-15)の範囲にあり、千葉県と同等かそれよりも少し高い値であった。このことから、上総層群の鹹水中のヨウ素の起源は同様なものであり、海水などが混ざったたことで茂原地区に比べヨウ素濃度が低くなったものの、129I/127I比はそれほど大きくは変化していないと言えよう。 上総層群以外では、宮崎、福島、群馬、新潟、秋田など各地から採取した鹹水(又は塩分濃度の高い地下水)の129I/127I比及び安定ヨウ素濃度を新たに分析した。その結果、ヨウ素濃度は、4.5 ミ 75ppmと地域によって大きな差があった。一方、129I/127I比は143-265 (x10-15)の範囲にあり、変動はあるものの、5300-3900万年前という値が得られた。しかし、データがまだ少ないため詳細は議論できない。 南海トラフの海底堆積物中の間隙水(11試料)を分析して得られた安定ヨウ素と129I/127I比の分析結果は次の通りである。 安定ヨウ素濃度の平均: 25ppm 範囲: 15.2 - 29.6 ppm 129I/127I比の平均: 334±107 (x10-15) 範囲:181 - 520 (x10-15) メタンハイドレートが存在する地層に産出する鹹水中のヨウ素濃度が高いことは興味深い。房総半島産ほどではないが、海水に比べると500倍ほど濃縮している。129I/127I比の測定結果(11試料)から得られたヨウ素の年代は2400-4800万年前(平均:3400万年前)であった。これは、その地層の年代(<200万年前)やフィリピン海プレートの年代(<2100万年前)と比べてもはるかに古いことが分かった。これらの結果から、南海トラフの海底堆積物中の鹹水に含まれるヨウ素は、それ以前に海底に溜まったものが、長時間をかけ集積し、リサイクルしていると考えられる。 メタンとヨウ素が共存した形で産出する例は、日本以外でも、米国Blake Ridge、ニュージーランド、中米などでも知られており、興味深い点である。ヨウ素の起源を調べることはメタンの成因を考える上でも参考になると思われる。 |
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会議概要(会議名, 開催地, 会期, 主催者等) | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 第6回ヨウ素利用研究国際シンポジウム | |||||
発表年月日 | ||||||
日付 | 2003-10-17 | |||||
日付タイプ | Issued |