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\n考察\n末梢?期非小細胞肺癌に対する9回分割照射(72.0GyE/9分割/3週間),4回分割照射(T1;52.8GyE、T2;60.0GyE/4分割/1週間)の成績を報告した。\n炭素線治療の5年局所制御率はT1で96%、T2で85%であり、陽子線に比較して腫瘍径の大きいものに対しても良好な結果であった。?A期の成績は3年粗生存率では手術に近い成績が得られている。また、重粒子線治療群は手術群に比べて平均年齢が10歳高いことと、症例の75%が肺気腫などのために肺の手術ができなかったことを考慮すると,5年原病生存率は?A期では82.7%,?B期では55.6%であり合併症を伴った症例の治療成績としては良好と考えられる。\n有害事象に関しては、9回分割照射,4回分割照射、1回照射ともにグレード3以上の肺反応は認めず、安全な照射方法であると考えている。\n最後に\n外科療法と炭素線治療の複数の根治局所療法を得たことにより局所療法の幅が広がり,「肺癌検診→?期(早期)肺癌の発見→根治局所療法→肺癌死亡の減少」というよい循環が推進されるものと期待する。", "subitem_description_type": "Abstract"}]}, "item_10004_source_id_9": {"attribute_name": "ISSN", "attribute_value_mlt": [{"subitem_source_identifier": "0913-8919", "subitem_source_identifier_type": "ISSN"}]}, "item_access_right": {"attribute_name": "アクセス権", "attribute_value_mlt": [{"subitem_access_right": "metadata only access", "subitem_access_right_uri": "http://purl.org/coar/access_right/c_14cb"}]}, "item_creator": {"attribute_name": "著者", "attribute_type": "creator", "attribute_value_mlt": [{"creatorNames": 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末梢?期非小細胞肺癌に対する重粒子線治療
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Item type | 一般雑誌記事 / Article(1) | |||||
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公開日 | 2010-02-12 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 末梢?期非小細胞肺癌に対する重粒子線治療 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_6501 | |||||
資源タイプ | article | |||||
アクセス権 | ||||||
アクセス権 | metadata only access | |||||
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著者 |
山本, 直敬
× 山本, 直敬× 中嶋, 美緒× 馬場, 雅行× 山本 直敬× 中嶋 美緒× 馬場 雅行 |
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抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | はじめに 肺癌の局所療法としてもっとも確実なものは外科療法である。しかし,局所療法によって根治が期待できる?期非小細胞肺癌であっても低肺機能などの理由により手術ができない症例や,手術を希望しない症例がしばしばある。(独)国立病院機構肺がん研究会の肺癌データベースでは1991年〜2001年に登録された21476例の肺癌のうち臨床病期I期でありながら手術が施行されなかった症例は全肺癌の3.45%(非切除率)であったとされている。肺癌検診の普及により?期肺癌が多く発見されるようになったが,このような手術のできない患者さんにたいして安全で確実な治療を開発することが肺癌死亡を低減させるために重要な課題である。 肺癌重粒子線治療臨床研究の経緯 独立行政法人放射線医学総合研究所(以下,放医研)では新しい放射線である重粒子線を用いて、局所療法により治癒が期待できる非小細胞肺癌症例に対する根治療法として,1994年から炭素(イオン)線を用いた臨床研究を開始しており2008年までにのべ837名の治療が行われた 。 特に末梢?期非小細胞肺癌に対して照射分割回数を減じる臨床試験を行ってきた。照射法は18回分割(6週間)照射1)から始まり9回分割(3週間)照射,4回分割(1週間)照射へと進み,現在では一回(1日)照射に至っている。初期の18回分割照射法による治療では胸壁浸潤を伴う局所進行肺癌に対する術前照射も同時に施行され、手術により摘出された標本の病理所見で強力な抗腫瘍効果が確認されている2)。9回分割照射法3),4回分割照射法4)は臨床試験が終了して成果を誌上報告するに至ったが,1回(1日)照射法は現在,線量増加試験中である。 治療成績 4回分割照射と9回分割照射をあわせた結果を図1に示す。症例数は延べ131例,年齢の平均は74.5歳で男女比は94:37。外科医により手術不適と判断された症例は75%であり,25%が手術拒否例であった。病巣数は131,そのうち腫瘍径が3?を超えないT1が72,腫瘍径が3?を超えるT2は59であり,腫瘍径の平均は31.5mmであった。組織型は腺癌85,扁平上皮癌43,その他3であった。炭素線治療の障害についてみると,臨床的に問題となる症状を呈するグレード3以上の肺障害は認められず,安全に治療を行うことが可能であった。抗腫瘍効果についてみると,131病巣に対して9回分割照射あるいは4回分割照射を行った結果,局所制御(照射領域からは腫瘍の再発がない)率は3年で93.0%,5年で91.7%あった。腫瘍径別にみると3年/5年の局所制御率はT1では98.6%/96.7%,T2では85.0%/85.0%であり,3?を超えるT2であっても良好な局所制御であった。生存率を検討すると累積3年粗生存率(死亡原因を問わない生存率)はT1:79.9%,T2:47.5%,累積5年粗生存率はT1:50.7%,T2:32.2%であった。またこれらの9回分割照射および4回分割照射で治療した症例のうち80歳以上の28名を対象とした解析を行い、高齢者に対しても肺機能の障害は軽度であり、良好な局所制御と生存が得られる安全な治療であることを報告した5)。 他の治療法との比較(外科手術、陽子線治療との比較) 重粒子線治療の中で特に国内外2施設の陽子線治療と炭素線治療(放医研)の成績を比較した。炭素線治療の5年局所制御率はT1では96%、T2で85%である。T1ですぐれた制御率をしめしているだけでなく腫瘍径の大きいものに対しても良好である (表1)。 9回分割照射および4回分割照射の治療成績を外科療法の成績と比較した(表2)。1999年1年間の肺癌切除例の成績6)(日本肺癌学会と日本呼吸器学会の合同調査による)では累積3年粗生存率は臨床病期?A期:84.4%,?B期:70.3%,累積5年粗生存率は?A期:77.0%,?B期:60.1%であった。重粒子線治療の?A期3年粗生存率は79.9%でありこれは手術に匹敵する成績である。5年原病生存率は?A期では82.7%,?B期では55.6%であり外科療法の成績に近づく可能性があると考える。 一回照射法の開発 一回照射法は総治療時間(体位固定から治療終了まで)が約60分と患者の身体的・精神的負担の少ない炭素線療法である。臨床試験は総線量28GyEから開始して線量増加継続中であり,途中経過ではあるが,総線量36.0GyEに達してから高い抗腫瘍効果が得られるようになった。線量増加試験の途中の結果であるが,総線量36GyE〜44GyEの治療後3年の累積局所制御率がT1(62例)で89%,T2(43例)で76%であった。現在,安定した局所制御を目指してさらに線量増加を続けている。有害事象に関しては、9回分割照射,4回分割照射と同様に皮膚および肺反応でグレード3以上の障害は認めていない。 考察 末梢?期非小細胞肺癌に対する9回分割照射(72.0GyE/9分割/3週間),4回分割照射(T1;52.8GyE、T2;60.0GyE/4分割/1週間)の成績を報告した。 炭素線治療の5年局所制御率はT1で96%、T2で85%であり、陽子線に比較して腫瘍径の大きいものに対しても良好な結果であった。?A期の成績は3年粗生存率では手術に近い成績が得られている。また、重粒子線治療群は手術群に比べて平均年齢が10歳高いことと、症例の75%が肺気腫などのために肺の手術ができなかったことを考慮すると,5年原病生存率は?A期では82.7%,?B期では55.6%であり合併症を伴った症例の治療成績としては良好と考えられる。 有害事象に関しては、9回分割照射,4回分割照射、1回照射ともにグレード3以上の肺反応は認めず、安全な照射方法であると考えている。 最後に 外科療法と炭素線治療の複数の根治局所療法を得たことにより局所療法の幅が広がり,「肺癌検診→?期(早期)肺癌の発見→根治局所療法→肺癌死亡の減少」というよい循環が推進されるものと期待する。 |
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書誌情報 |
インナービジョン 巻 25, 号 1, p. 50-51, 発行日 2010-01 |
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ISSN | ||||||
収録物識別子タイプ | ISSN | |||||
収録物識別子 | 0913-8919 |